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【器のはなし】戸棚を覗いたら覗きがあったから今日は覗き

年末だし来年の干支に絡めた何かを……と思いついたが、蛇に繋がるような器その他話題が思いつかず、やれやれ……と戸棚を開いて見つけたもの。

「覗き」「覗き猪口」と呼ばれる、半筒形の小さい器。私は酒器として使っているが、元々は調味料を入れたらしい。聞いたところによると、大皿に刺身を盛り付け、醤油の入った覗きを一緒にのせたとかなんとか。聞いた話だから出典が分からない。

覗きは小さいゆえに手に取ると可愛がりたくなる。それまで何とも思っていなかった器をいっぺん手に取ってみたら、急にかわいらしく見えることはよくある。しかし、小さいゆえに用途が思いつかない。本当に日本酒を飲む時しか登場してないかも。

この松文様は同じものがスタンプのように横に並んでいるのが面白い。もう少し工夫をしてもいい気がするのに、ただ帯状に淡々と並んでいる。

竹の方は笹がおしゃれで気に入っている。初めて買った覗きはこれだったかな。絵付けが難しいのか凝った柄があんまりなくて、なかなか惹かれるものに出会えない。松、竹と揃っているので、梅もどこかで見つけたら手に入れたい。


ちなみにスタッキングにはあまり向いていない。筒状だから重なりにくいし、大きさ違いのものを重ねておいたら、がっちりハマって抜けにくくなってしまうこともある。

酒以外の用途を考えるとしたら、コーヒーにミルクを添えるとき用とか、やっぱり調味料を入れるとかだろうか。食器じゃなく考えるならキャンドルに改造するとかかなあ。あと爪楊枝入れに良さそう。


前に掲載したことのある波千鳥の覗き。

これは銅判転写技法の大量生産品だが、それにしては手が混んでいて、いつ見ても買っておいて良かったなと思う。気に入ったので二つ持っている。大きめで、小さい湯呑みになる。

高台にも模様が。こんな細かい場所にまで絵付けするのすごい。

そして内側の波と千鳥。これが無かったら買ってなかった。あと八角形なのも良い。


そうか、筒状だから中に入っているものの匂いを嗅ぐと、真っ直ぐに入ってくる可能性がある。中国茶で使える。匂いといえばフレグランスだが、そうやって匂いを嗅ぎたいってアイテムじゃないからな。


漆器も持ってたな、と思って写真を撮ったが、これは小向付だった。高台にかけて胴が緩くカーブしているため。漆器でこの小ささはちょっと珍しい。漆器持ったら軽くてびっくり。その代わり落としたらすぐ割れるけど、漆でくっつけてまた塗れば使える。


一番最近仲間入りしたのが染付松葉図で、三方向に別々の松葉が描かれている。絵付けの雑な感じがとてもいい。線が伸びやかで松葉が踊ってるようだ。大正昭和くらいかな。

ちなみにかなり小さい。覗かなくても中が見えるんじゃないかな。これに題名をつけるとしたら「覗かない」だな。

下に持っている松の方は、平均的な大きさと思われる。見たことない小ささで、一気に惹かれてしまった。なんかこういうものに民藝っぽさを感じるんだが、この感覚で合ってるのかな。一つ前の漆器も民藝っぽい。


というわけで、覗きの紹介でした。

関係ないが、二年前のスケジュール帳を見たら「盃をたくさん使う方法 わんこそば方式でフルーツを食べる」と書いてあった。「蓋茶碗を間接照明にする」の流れで発想したものだが、なんか違うよね。絶対にもっといい使い道がある。


こういう系の話が好きな方は↓をどうぞ。

次回更新予定 12/30:実家編か?
※だいたいリサーチ不足ですので、変なこと言ってたら教えてください。気になったらちゃんと調べることをお勧めします。

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斯波らく
めでたし、めでたし。と書いておけば何でもめでたく完結します。