愛社精神とキャリアアップ
長いものに巻かれるのが得意ではない私には少々足りないマインドでしたが、愛社精神(最近はエンゲージメントですかね)は個人のキャリアアップにとても大事です。
時々、学生からキャリアアップするのにどんなスキルが必要ですか?と質問を受けます。
みなさんどう答えます?
で、今回はキャリアップをWill-Can-Mustの視点で考えてみます。
分かりづらいMust
対応力、適応力はとても大事です。求められること、与えられたこと、任されることを楽しみながら出来て、その中に面白みを見つけられる人は幸せで、その意識と感覚がある人は素晴らしいと思います。忍耐力や柔軟性や楽観的なところもありそうですね。これって愛社精神(エンゲージメント)が根底に必要です。VUCAであっても、組織を渡り歩いても、その重要性は変わりないと思います。
ここはマインドセットできるとこでもありますし、社会で生きていくには欠かせないと思うのですが、昨今の教育の場では避けられている様に思います。
「愛社精神」があり柔軟に成長できる人を、ある人は「明るい社畜」と言われていて、世相をモジった愛嬌あるポジティブな表現が私は好きで時々使います。
で、キャリアアップしたいという学生には、私ならまず「明るい社畜になりましょう」で支援します。
当然必要なCan
そして出来ることを増やしていきます。職務能力に長けていていれば求められますし、ニッチであればその人に頼るしかないです。そして成果が上がることでさらに伸びます。
Canは時間をかけてでも力をつける意識と行動が大事ですので、自分らしく頑張れそうなことや可能性を見つけることですね。
私なら「好きと得意はとことんやりましょう」と言うかな。
冒頭の学生の質問はスキルを問われていますが、スキルがあっても発揮する場を得られないとダメなわけで、Mustとの統合は必要なんですよね。キャリアコンサルタントとしてはスキル至上思考にならないようにしたいですね。
Willは後からでも
キャリア教育やキャリア支援に携わると「やりたい、なりない」に偏り過ぎていると感じることが多いです。小学4年生の1/2成人式で将来の夢を発表、、、決められない子供の気持ちはどうかな、、、決めた言葉に縛られる事もあるでしょう。就職前の生徒や学生はやりたいことが見つからないというだけでとても苦しくなります。仕事を始めてようやく慣れてやりたいことが見つかったと思いきや異動、、、そんなこともあります。さらに定年退職でまたやりたいを問われて、、、組織人として長年頑張ってきた人には悩みの種になります。
人それぞれ、有ればあったで、無ければないで、どっちでも良いと思いますし、少なくともやりたいことが無いことが悪や劣ではないです。
私なら「やりたいことは見つけるものではなく見つかるもの」で支援します。
冒頭の学生の質問はキャリアップというWillがありそうですが、どんなイメージなのか、そのイメージの濃淡も分かりませんが、決めつけないでMustとCanでとことんやってみて欲しいですね。
キャリアコンサルタントは
やりたいとこが無い相談者には、やりたいことを探してあげたくなります。やりたいことを口にする相談者が居ると、その実現を後押ししたくなります。ある意味それは自然だと思いますが、キャリアコンサルタント自身がそこに視野狭窄しないように注意したいところです。
希望もスキルも大事ですが、愛社精神(エンゲージメント)にも蓋をせず、その人らしいMust-Can-Willでバランスよく支援してみましょう。