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よく晴れた日の朝のこと

窓から差し込む光が目に刺さり目覚める

ゆっくりとした時間が流れる
温もりのベッドで微睡む贅沢な朝だ

『はぁ、またか』

天気の良い朝は決まって憂鬱だ
なぜなら今だに彼の面影が私に悪戯するからだ

穏やかな心臓の鼓動
微かな寝息と愛おしい寝癖
長い睫毛がゆっくりと動き
その奥に覗く少し色素の薄い瞳

気怠げに発せられる
『おはよう』の一言に
この上ない幸せを感じていた毎日
そんな日がずっと続くと思っていた私は
なんて愚かだっただろう

今日も彼の面影に後ろ髪を引かれながら
鉛のように重い体を起こす

そして気怠げに発してみるのだ

『……おはよう』

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