夏の水分補給のポイント
全国各地で梅雨が明け、本格的な夏が到来しました。厳しい暑さが続く中で、水分補給は非常に重要です。しかし、適切な方法で水分補給を行わないと、かえって体調を崩してしまうこともあります。今回は、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺った、夏の正しい水分補給についてお話しします。
私たちの体に欠かせない水分
成人の場合、体重の約60~65%が水分で構成されています。水分は体液となり、栄養素や酸素を各細胞に届け、老廃物を排泄するなど、私たちの生きるために重要な役割を果たしています。成人が1日に排出する水分量は約2.5リットルで、これを補うためには適切な水分補給が必要です。
「のどが渇いた」と感じたときは、すでに脱水が始まっているので、のどの渇きを感じる前にこまめに水分を取りましょう。
水分補給は飲み物だけではない
水分補給といえば飲み物を思い浮かべがちですが、食事からも水分を摂取できます。食事をしっかり取っていれば、1日に必要な水分量の半分は摂取できると言われています。暑さで食欲がない場合は、具材を細かく刻んで汁物にすると良いでしょう。
また、飲み物による水分補給は、一気に大量に飲むのではなく、少しずつこまめに行うのがコツです。目安としては、コップ1杯(200ミリリットル)を起床時・入浴前・就寝前に加えて、1時間半~2時間おきに飲むことをおすすめします。
スポーツドリンクの利用
スポーツドリンクは運動などで大量に汗をかいたときの水分補給に適していますが、日常生活での常飲は避けるべきです。糖質量が多いため、飲む場合は水で薄めると良いでしょう。同様に経口補水液も過剰摂取は避けるべきです。
夏の水分補給に向く飲み物
夏の水分補給には、天然水や水道水がおすすめです。麦茶も良い選択肢です。カフェインの利尿作用がある緑茶や紅茶、コーヒーは避けた方が良いでしょう。炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水は糖質が多く、毎日大量に飲むと肥満や糖尿病のリスクを高めます。また、アルコールも利尿作用があり、脱水が進むため適量にとどめましょう。
理想的な水分補給は、栄養バランスの取れた食事を十分に摂り、合間に水やお茶などの飲み物でこまめに補給することです。この夏も適切な水分補給を心がけ、元気に過ごしましょう。