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人生最後の日に見つける「本当に大切なもの」

私たちは生きている限り、いつか人生最後の日を迎えます。その瞬間が近づくとき、人は自らの人生を振り返り、これまでの生き方を考えるものです。医師・小澤竹俊氏が4000人もの患者を看取ってきた経験を通して得た洞察によると、人生の最終段階で見つける「本当に大切なもの」は、必ずしも地位や名誉、お金などではないということです。

親が子に望むものは「愛されること」

小澤氏が看取った多くの患者の中には、幼い子どもを残してこの世を去る人もいました。しかし、そうした人たちは子どもに「お金を稼げ」「名誉を手に入れろ」とは望みません。どんな親であれ、彼らが最後に願うのは、「子どもが愛され、人と支え合って生きていくこと」です。

ある会社の社長も、がんで余命宣告を受けたとき、これまで築き上げた地位や財産がむなしく感じ、自分の人生に疑問を抱きました。そして、最後には子どもに「人間関係の大切さを伝えたい」と穏やかな表情で語るようになったのです。

人生の最終段階で手放すもの

「自分で何でもできる」「人に頼らない」という価値観を持って生きてきた人たちにとって、病に倒れ他人に頼ることは耐えがたい苦しみです。しかし、多くの患者は苦しみの果てに、これまで大切にしていた信念を手放し、他人や自然、信仰にゆだねることで心の平安を得るようになります。

手放すことで、怒りや焦りといった感情が消え、穏やかな心で最後の時間を過ごすことができるのです。

見守られる幸せ

多くの患者は、自宅で人生の最後を迎えたいと望みます。病院やホスピスよりも、古い自宅の天井を眺めているほうが心が落ち着くと感じるのです。実際、自宅に帰っただけで気持ちが安らぎ、穏やかな表情を取り戻す人も少なくありません。

もちろん、病院でのケアを望む人もいますが、最も大切なのは、どこであれ患者が「穏やかに過ごせる環境」が整っていることです。

小澤氏は、すべての人が最後の瞬間を自分の望むかたちで迎えられるような社会を願っています。

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