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襲いかかった病

下の兄は、プライドが高いところがあり頑張ればいい大学に行けると思ったのか、上の兄と同様高校卒業後の進路をすぐには決めませんでした。浪人なのかニートなのか引きこもりなのか…よくわからない日々を過ごしてしまいます。

両親は、見守るスタンスで強くどうしろということは言いませんでした。
そのまま数年が経ってしまい、兄に病が襲います。何かわからない独り言を言ったり手を合わせて拝んだり支離滅裂なことを訴えたり。家族は、疲弊していました。
脱毛症の時と同様、両親は大きな病院に連れて行き薬を飲むも大きな変化は見られませんでした。

その頃、私は短大に入っており
母に兄は何の病気なのか問い詰めたことがあります。
耳にしたことのある当時のその病名は、未来に暗い影を落としました。これからどうなってしまうのだろう。

母は、経済的なこともあってか兄と家にいるのが辛いのかパートを続けていました。

そうなると兄に朝の薬を飲ます人がいません。私は、出来るだけ1限目を避けて授業を組み、単位を気にしながらなかなか薬を飲んでくれない兄になんとか飲ませてから学校に行く日々でした。

後に少し安定した兄から聞いたのは、いつも花凜から毒を飲まされると思っていたと言うのです。

兄は、酷い時は入院もしました。
わけのわからない兄に母は、お正月にはお節料理を持って行って食べさせました。そんなことをする母を私は見て居られませんでした。


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