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その窓に合う

原始的なロジックな鍵。
これは池田町の家の造作の木製窓に合わせてオリジナルで製作した鍵です。

いつもは造作の木製窓の鍵は金物メーカーから選ぶことが多いです。
ただ池田町の家のお施主さんとは、いままで打合せを重ねてきた中で
きっとメーカー品では納得するデザインの物がないだろうと思い
鍵というものを一から考える事にしました。

デザインの条件として、明快である事、家の雰囲気に馴染む事、しっかりした防犯性が取れる事の3つを軸に考えていきました。

構造としましては、木製サッシ手前(内側)の枠に円柱のステンレスが埋まるように穴をあけ木製サッシに取り付けた手掛けを斜めに曲げ加工し、
差し込んだステンレスの円柱に引っ掛かる事で
施錠が出来る仕組みになっています。
窓を開ける時は、ステンレスの円柱を抜き木製サッシの手掛けを持ち
木製サッシを前に押し出します。

所作としても今までにはないものなので窓の開閉の度に愛着を持ってもらえたら設計冥利に尽きます。
シンプルで合理的な考えはプロダクトから建築まで幅広く共通する設計手法だと私は考えます。


汎用性は高くないかもしれませんが、中々良いプロダクトが出来たのではないかと思います。

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