韓国 | 非武装地帯(DMZ)ツアー体験記 🪖戦地跡の観光地化について思うこと
5月は私の誕生月。今年の誕生日プレゼントとしてパートナーが韓国旅行を手配してくれました。
初めて行く韓国。「せっかく行くなら韓国でしかできない体験を」と思いたち、私たちはあるツアーを予約しました。
予約したのはK-popアイドル体験ツアー!
ではなく、非武装地帯(DMZ)ツアーです。私リアリストなので笑
ご興味がある方も多いと思いますので、今回はツアーでの体験をレポートします📣
ツアー概要
ツアーは朝10時にソウル市内で集合、午後4時に同じ場所で解散でした。大型バスに乗り込み、国境付近まで40分ほどかけて移動します。参加者はおよそ30人で、英語ガイドが1人同行していました。
ツアー価格は1人7000円程度。klookから予約しました。
このツアーに参加するにはパスポートを忘れないようにしましょう!DMZはパスポートがないとエリアに入れないのです。
坡州市までの道中でガイドさんが忘れ物の確認を行います。私たちのグループは誰も忘れ物をしていないようで安心しました。
道路脇の有刺鉄線が目立ちはじめたら、目的地はまもなくです。
臨津閣平和公園
最初に訪れたのは臨津閣平和公園です。
この公園は非武装地帯の中ではありませんが、かつて激戦地だったため多くの戦跡が残っています。私が見た場所を紹介します☑️
⚪️望拝壇
北朝鮮に残された家族に向けて祈りを捧げる祭壇です。正月やお盆にお墓参りの代わりとして訪れる人が多いそう。
⚪️自由の橋
朝鮮戦争で捕虜約13,000人が歩いて渡った橋(補強工事中で見学は不可)。
橋の周辺は美しい庭園になっていました!
⚪️蒸気機関車
こちらは日本統治時代に使われていた機関車です。朝鮮戦争で北朝鮮軍によって破壊されました。銃弾の跡がいくつも残っています。
⚪️ゴンドラ
ゴンドラで川を渡ることができます。このゴンドラで渡った先には、戦時中の国連軍キャンプの様子が再現されているようです。
公園内にはお土産屋さんだけでなく、レストランやカフェ、さらには遊園地まであります。この商業化の進み具合には正直少し驚いてしまいました。
施設内のDUNKIN DONUTSでドーナツを食べながら、平和を願う場所が観光地化する現状を考えました。戦争の悲惨さや平和への想いが薄れてしまうのでは......と複雑な気持ちになりました。
第三トンネル
次に向かったのは、北朝鮮が韓国侵攻を目的に掘った 第三トンネル。
⚪️トンネルまでの道中
平和公園から第三トンネルへ向かう途中、雰囲気が一気に変わります。道中にはゲートがあり、韓国軍による保安検査が行われました。若い兵士がバスに乗り込み、顔とパスポートを確認する場面では、いよいよDMZに近づいているという実感が湧き、ドキドキしました。
⚪️第三トンネルについて
これまでに4つのトンネルが見つかっていますが、第三トンネルはソウルから最も近く、約52キロメートルの距離にあります。総延長は1.6キロメートル、幅は約2メートルで、1時間あたり約3万人が移動できる規模だと推定されているそうです。
トンネルは観光用に整備されています。シアタールームが併設されていて、朝鮮戦争やDMZ、トンネルに関する解説を見ます。4カ国語(英/中/日/韓)の字幕もありました。
写真撮影をして、いよいよトンネルの入り口に到着です。ヘルメットを着用し、長い坂を下っていくと手掘りのトンネルにたどり着きます。
トンネル内は狭く、すれ違うのがやっとの幅でした。身長167cmの私でも何度も頭を打ちます。痛くはありませんが、岩とヘルメットがぶつかる「カンっ」という音が不快です。これが兵士の通る道......?
冷たい空気と湿度、酸素の薄さもあり、長時間いるのは厳しい環境だと感じました。屈んで通らないといけないので、少しだけ腰が痛くなりました。
休戦協定中の韓国と北朝鮮ですが、相手国が侵略のために掘ったトンネルを、観光用に改造して、一般公開するのは斬新だと思いました。トンネルを掘った人たちも、まさか余暇のために外国人が訪れる場所になるとは思わなかったでしょうね。
ちなみに韓国では、このようなトンネルが20はあると言われているそうです。見つかっているのは4つ。本当に20個もあったら怖いですね😨
都羅展望台
最後に訪れたのは都羅展望台です。ここは北朝鮮の様子を肉眼で見ることができる貴重な場所です。
この日はあいにくの霧雨でほとんど見えませんでした。とても残念。次訪れる際は晴れ目を狙いたいです🙏
展望台内にはカフェがあり、北朝鮮を眺めながらお茶をすることもできます。ただ、建物内にはシェルターの印が至る所にあり、DMZの緊張感を忘れてはいけない場所だと改めて感じました。
展望台から駐車場へ歩く道中では、澄んだ空気と野鳥のさえずりが印象的でした。DMZの自然は70年以上手付かずの状態が続いており、珍しい動物も生息しているそうです。
駐車場で「私たちは(国を)統一したい」と書かれた錆びた看板を目にしましたが、今も同じ思いでいる人がどれほどいるのか、現地の商業化された観光地を見ながら疑問に思いました。
最後にお土産屋さんで記念にマグネットを購入しました。
まとめ
DMZは休戦状態という点から、過去の戦争の跡と、現代に残る緊張感を同時に感じられる特別な場所でした。
私にとって韓国と北朝鮮は生まれた時から「別々の国」ですが、自由の橋を見てかつてはひとつの国だったことを強く実感しました。
他国の利権争いが原因で家族が引き裂かれるーー。そんな未来が自分の身に起きたら?想像するだけで胸が締め付けられます。
二度とこのような悲劇を繰り返さないことを祈りたいです。
DMZは冒険心をくすぐる面もありますが、ただの観光地としてではなく、戦争の歴史と今後の平和を考えるきっかけを与える場所としてDMZをお勧めしたいです。
こちらの記事がみなさんのご興味をひけば幸いです。気になる方は以下のリンク集もご活用ください🪻
DMZツアーの予約サイト👇
https://www.klook.com/ja/activity/89738-dmz-hero-korea-peace/
DMZについて知る👀
1️⃣私が回った場所を動画で解説しています。
2️⃣北朝鮮側のDMZの様子が見れます。