ホストマザーの「歯磨きセルフィー」を見て思う文化の違い| 海外留学
大学生の頃、アメリカに5ヶ月ホームステイをしていました。そこで感じた文化や価値観の違いについて、ひとつエピソードを共有します🕊️
ホームステイ先の家族
留学中、私はホストマザーのEとその中学生の娘、高校生の息子の3人と暮らしていました。
Eは40代のフライトアテンダントで、独身。友達が多く、パーティーやディナーに出かけることが多い、社交的な女性でした。アジア人の私にもとても優しく、対等に接してくれました。
思わぬ場所でのカルチャーショック
そんなお家で、ある日ちょっとした“カルチャーショック”を受けることに……!
留学生活に慣れ始めた頃、普段ほとんど使わない来客用のトイレを初めて利用しました。すると、そこで見つけたのはなんと、Eが楽しげに歯磨きをしている写真。
自撮りの写真が額に入れられ、まるで記念写真のように堂々と壁に掛けられていたのです。
文化の違い?それとも自己肯定感?
この写真を飾るということに、私は衝撃を受けました。Eが美人であることは確かですが、家族写真ではなく、自撮りの歯磨き写真をインテリアにするなんて……と困惑しました。
でも、これは単にEの個人的な趣味ではなく、文化の違いかもしれないと気づきました。
自己肯定感のもちかた
日本では謙虚さが美徳とされるため、自己肯定感を表に出すことが苦手な人が多いように感じます。
たとえば、欧米の友人に「綺麗ですね」と伝えると素直に「ありがとう」と返ってくるのに対し、日本の友人は「そんなことないよ〜」と否定することが多いですよね。(あくまで私の体感ですが!)
Eも、自分の美しさに自信を持っていたからこそ、あの写真を飾っていたのだと思います。
帰属意識の違い
また、日本では「世間体」を気にする文化があります。
「世間の意見はこうだから、あなたもこうしたほうがいい」というアドバイスを受けた経験がある方も多いのではないでしょうか?
一方、欧米では個人を尊重する文化が根付いています。英語には「世間体」に該当する言葉がないほど、他人の目を気にしないのです。
Eの歯磨き写真も、他人の評価を気にせず「自分が好きなものを飾る」という姿勢の表れだったのでしょう。
歯磨きセルフィーを振り返って思うこと
日本の「謙虚さ」も素敵な美徳ですが、「私はわたし」という考え方を持つことで、もっと自由に、自分らしく生きられるかもしれません。
今では、あの歯磨き写真が静かにこう語りかけていたように思えます。
「あなたはそのままで美しいんだよ」と。
Eの姿勢に、少しだけ勇気をもらえた気がします。これからも、周りを気遣う謙虚さと、自分を大切にする自己肯定感、そのバランスを意識しながら、自分らしく生きていきたいです🌿