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深淵ヴァレットだけじゃない!ドラゴンリンクの魅力を徹底解説! 【遊戯王 Advent Calendar 2023B 4日目】

はじめましての方ははじめまして創鍵 (そうけん) です。普段は Rapid Bout という同人 TCG の開発をしています。
今回は 遊戯王アドベントカレンダー2023 記事として、ガチだけじゃないドラゴンリンクの幅広さと面白さを解説していきます。
前日の記事は 遊戯王ハック さんの カードゲームのテキストはなんで読みづらいのか です。併せてぜひ。


ドラゴンリンクの多様性

まずはこちらの画像をご覧ください。

ドラゴンリンク展開図

この画像はドラゴンリンクの展開に組み込むことができるテーマをまとめた図になっています。
この図からも分かるとおり、ドラゴンリンクは様々な展開系ドラゴンテーマを組み込むことができるようになっていて、カジュアル〜ガチまであらゆるシチュエーションをこなすことができる万能機となっています。

歴代のドラゴンリンク

ガンドラワンキル

ドラゴンリンクというデッキの成立は 10期 6弾の SAVAGE STRIKE まで遡ります。
このパックから初登場したテーマ、<守護竜>は小型ドラゴン族を展開するだけでデッキ・墓地・EXデッキから大型ドラゴンを踏み倒す、当時から見てもイカれたスペックを誇っていました。

守護竜アガーペイン

最初の活躍として注目されるのは多数の禁止カードを輩出した構築、ガンドラワンキルです。この頃はどちらかというと<闇属性リンク>と呼べるくらい闇属性で展開を伸ばすことができるパーツを出張させた構築となっていました。

ガンドラワンキル

ドラゴンリンクの成立

しかし、19年の制限改定でダークマターレダメガンドラXまでもが禁止カードに指定され、先行ワンキルは事実上不可能になってしまいました。
そこからは比較的現代に近い形の構築へと変化し、トポロジック・ガンブラー・ドラゴンを利用した先攻ハンデス型などが活躍しました。

先攻5ハンデス型ドラゴンリンク

ドラグーン / ヴァレルエンドの登場

19年の末になると守護竜の親玉・アガーペインとハンデスの申し子・ガンブラーまでもが禁止入りし、構築の変更を余儀なくされたドラゴンリンクでした。しかし、年末に発売された LEGENDARY GOLD BOX に封入されたドラグーン・オブ・レッドアイズとヴァレルエンド・ドラゴンはドラゴンリンクに革命を起こしました。

真紅眼の黒竜を採用した形であればデッキ融合でドラグーンを出せるほか、ドロドロゴンの融合代用効果を利用することで不純物を取らずにドラグーンを出す形が研究されました。

ドラグーン採用型ドラゴンリンク

ドラグニティ型

とうとう 20年 4月にはエルピィ・イヴが、7月にはリンクロス、10月にはドラグーンが立て続けに禁止されたことにより、現在のドラゴンリンクに近い構築が成立しました。

不足した展開力を補うために注目されたのは、20年8月に発売されたストラクチャーデッキ、ドラグニティ・ドライブで大幅に強化された<ドラグニティ>でした。

ドラグニティ - レムス

詳細な展開については後述しますが、召喚権を使わずにクリスタルウィングを立てられることから誘発受けができる構築として現代でも一部採用されています。

環境におけるドラゴンリンク

22年に入ると<深淵の獣>が登場。墓地コストとして大量の光/闇属性を要求する深淵の獣との噛み合いがより重視され、次第にドラグニティの採用は減少していくことになります。
いわゆるマスターデュエル環境ではヴァレットと深淵の獣をベースとしたもが中心となっています。
先行展開の押し付けだけが注目されがちなデッキタイプですが、墓地リソースを活用した継戦能力の高さも大きな強みとしてあります。

僕は競技レベルで遊戯王を走っているわけではないので、環境上の有利フリについての言及は避けますが、一般的に Tier 2 ~ 3 程度のポテンシャルと言われることが多いです。

マスターデュエルにおけるドラゴンリンクは以下の記事にて解説しております。

採用候補テーマ

ヴァレット

ドラゴンリンクといえばやはりエンドサベージ展開ですよね。
ロムルスを着地させるだけで手札コスト1枚から2妨害を立てることができ、一度通ってしまえばそのまま押し付けることができます。

枠としてもメイン5枚、EX6枚と展開系にしては比較的抑えられる部分も強みです。

デリンジャラス・ドラゴンの深淵の獣受けが悪いため、展開に余裕が持てる場合には3枚初動からスリーバーストショット・ドラゴンを絡めた展開でケアすることも可能です。

深淵の獣

手札誘発かつ盤面展開補助を行ってくれる最強テーマです。
展開紹介動画などでは烙印の獣を出して1妨害を構える動きが紹介されがちですが、個人的には復烙印を立ててリソースゲームを行うことが多いです。

復烙印

後手を取った場合でも、手札に星4チューナーがあれば深淵の獣着地を見逃してもらえるだけでバロネスアンヘルを立てて貫通していくことができます。また、初動でルベリオンの効果を使うことで相手の手札を吊り出し、 γ 着地へと繋げていくこともできます。

カオス

カオス・ルーラーとワイバースターはMDで禁止が発表されました

正式にはカテゴリに属しませんが、暗黒竜 コラプサーペント輝白竜 ワイバースターのコンボによるリンク2展開がドラゴンリンク初動の要を担っています。また、それを活用するための輝光竜セイファート混沌領域も多くの場合採用されています。

上級カオスモンスターとしては、対象をとらない除去とリソース回復が行えるカオス・エンペラーや、ハンデスや展開補助を行える混源龍レヴィオニアがよく採用されています。

混源龍レヴィオニア

真紅眼

初代遊戯王やGXでも活躍した人気モンスター「真紅眼の黒竜」を擁するテーマです。黒鋼竜が回数制限なしで「レッドアイズ」カードをサーチするため、カオス下級モンスターの量増しとして初動にカウントすることができます。

黒星竜亜黒竜Sinなどレベル7モンスターを大量に展開することもできるため、後述する征龍などと組み合わせてランク8を展開していく動きも可能です。

闇鋼龍ダークネスメタル

また、バーンが得意であるという特徴を活かし、レムス1枚から先行ワンキルを行うルートも研究されています。

ドラゴンメイド

<真紅眼>と共にドラゴンリンクの初動枠として検討されるのが<ドラゴンメイド>です。召喚権こそ使用するものの、手札1枚から大型妨害札のシュトラールを立てることができ、手札に汎用カードが多い場合やエンドサベージ展開が止まってしまった場合のサブプランとして非常に強力です。

反面で、単体では活躍の機会が少ないカードが多いことや、4枚目以降の初動であるパルラが風属性であることなどが懸念点としてあります。

出張性能が高いテーマのため、青眼や烙印といった他のテーマと<ドラゴンリンク>ではない形で組み合わされることが多いです。

覇王眷竜

まるでテーマのような目次ですが、多くの場合は覇王眷竜ダークヴルムのみが採用されます。こちらはデストルドーまたは竜の霊廟などの墓地肥やしとの2枚初動となりますが、レボリューションなどのサーチカードも数えれば比較的揃えやすいコンボとなります。
また、デストルドーや墓地肥やし自体がデッキのテーマと噛み合うため、片方しか揃わない場合でも展開を伸ばす中継地点として利用できるのが強みです。

亡龍の戦慄-デストルドー

征竜

8期を代表する禁止カードとして長らく制限されていた征竜ですが、とうとう4征竜の全てが解禁されました!

嵐征竜ーテンペスト

現在は手札コストを補うことができる、かつ嵐征竜ーテンペストのコストにもなる <アームド・ドラゴン・サンダー> と組み合わせた形が主流となっています。

アームド・ドラゴン・サンダー LV5

ランク7を簡単に並べることができるため、トマラドンの展開から制圧系シンクロモンスターを構えていくこともできます。

聖刻

天球の聖刻印が本来所属するテーマが<聖刻>というテーマになります。
まず天球の聖刻印というカードについてですが、ドラゴン族モンスター2体並べるだけでバウンス+リクルートを行うことができる破格のリンク2となっています。
コアキメイル・ドラゴアモルファージ・イリテュムを採用することで相手の特殊召喚を封じたり、イーサルウェポン霊龍を採用しての2除去など、デッキスロットを割けば割くだけ強力な妨害として利用することができます。

アモルファージ・イリテュム

また、本来の<聖刻>も面白いテーマで、7期という古いカード群であるため、2枚初動であったりと要求値が高い反面、同名ターン1制限のないカードが多く存在するため、盤面の最大値は他のテーマで類を見ないほど伸ばしていくことが可能です。

ドラグニティ

歴代のドラゴンリンクでも少し触れましたが、最終盤面を大きく伸ばしたい場合にはよく採用されるテーマです。
レムスの1枚初動で展開に入れる他、召喚権を使わずにニビル対策を行うこともできるため、環境次第では優先度が高くなります。

ただ、風属性テーマのため出張以上に採用枚数を取りたい場合は準純構築のような形が推奨されます。 (カオスや深淵の獣との相性がそこまで良くないです)

また、装備テーマである利点を活かして破壊剣を装備して制圧するタイプも存在します。

ドラグニティアームズ-レヴァテイン

純構築に近い形ではいくらかの鳥獣族が採用されているため、霧の谷の巨神鳥を立てることもできます。

固定展開の中では唯一、アトゥムスに触れるテーマでもあるため、本来繋がりの薄いテーマに対しても無理やり展開をつなげることができます。

烙印

ルベリオンを落としながら1枚展開が行える烙印融合が非常に強力です。マスターデュエルではモンスター2体で立てられるアナコンダからもミラジェイド単体は立てることができるので、展開を伸ばす使い方をすることもできます。

また、本来であれば後手の捲りで利用することが多いアルバスの落胤の融合効果も天球の聖刻印から踏み倒すことで相手のターンに発動できます。

アルバスの落胤

リベリオン

こちらも<RR>などは採用しない EX デッキのみの出張セットとなります。
闇属性2体で出せるランク4モンスターのレイダーズ・ナイトは単体でアーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンへとランクアップが可能なため、後手であれば相手の妨害を吐き切らせた後にランク4を立てるだけでそのまま勝つことができる凶悪な出張セットとなっています。
忘れがちですが攻撃力上昇能力を使うと自軍も含めたモンスターの効果が全て無効になるため、先行ではくれぐれも使わないようにしましょう。

アリべ

ローズ

一応ロクスローズ1枚でロムルスまでいくことのできる初動テーマです。
しかし、こちらも不純物を多めに採用する必要があるため、初動目的のみで投入するというよりはレッドローズのシンクロ時効果などをうまく使って最大盤面を伸ばしたい場合に使われることが多いです。
特にエクスプロードが採用されている場合、レッドローズとリボルヴの2枚初動からニビルをケアして展開を行うことができるようになります。

銀河眼

下級をほとんど採用せず、残光竜サーチや8軸ドラゴンを用いてランク8を展開します。ディス・パティルが採用できる紙では混沌銀河眼というデッキタイプとして活躍しています。
展開ルートについてはターボ選手に直接伺ったところ教えていただけました 🙏

セイヴァー

不純物をあまり採用しない形でも<セイヴァー>を着地させることができます。カオス下級展開を利用していないので、手札を使い切るような形で展開できればより制圧力の高い盤面が形成できそうです。

青眼

基本的には融合テーマのため、<ドラゴンメイド>や<烙印>などと組み合わせられることが多い、超人気テーマ。ブルーアイズ・ジェット・ドラゴンが破格の耐久性能を持ちます。
(筆者の経験があまりないカテゴリのため、これくらいで許してください……)

龍剣士

とうとうドラゴンリンクにも手を出し始めたペンデュラムテーマです。
聖刻の項で紹介したアモルファージとの相性も比較的良いデッキとなっています。

おわりに

ドラゴン!!!好きだ!!! (ご意見ご感想お願いします)
明日の記事はたまごさんです。よろしくお願いします。

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