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「失敗の総量をマネジメントする」を考える。
新しいツールやテクノロジーが出てきて、かつ社会情勢も常に変化する昨今、日常のタスクを進めることも大事ですが、新規アイデアやプロジェクトを生み出し続けことも大事。
かといって自分1人だけで新規アイデアやプロジェクトを生み出すのには限界を感じます。
そこで、組織内またはチーム内で常に新規アイデアやプロジェクトを生み出し続けるために必要なミドルマネージャーの役割について、これまでの経験から書いてみます。
新規アイデアやプロジェクトを承認する公式管理
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よく見かけるミドルマネージャーが新規アイデアやプロジェクトを進めるフローを図にしました。①アイデアの提案説明を受け、それを②承認します。
そして③動かし始めたプロジェクトに④途中報告を受け⑤フィードバックしながら、⑥ゴールへ導くフローです。
会社の一大プロジェクトであれば、このようなフローも有効だと思います。しかし複数の事業領域を担当していたり、同時並行で様々なアイデアやプロジェクトを進めている場合だと、タスクオーバーや評価の固定化へとつながり、長期目線ではアイデアやプロジェクトが生まれづらくなったり、やりづらくなったりする可能性があります。
私も最初はこのような進め方をしていましたが、うまくいかないことが続いたので、思い切って管理方法を変えました。
組織内で新規アイデアとプロジェクトを生み出し続ける管理
やめたことは2つです。共通しているのは「いい・悪い」の判断をすることをやめました。
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・アイデアに対しての提案と承認をやめた
アイデアは、まだ成果物を作成する前々段階の「種」みたいなものです。
なのに、それに対して承認する・しないを判断するのも何か違うなと思うようになりました。
代わりに、会社で使っているナレッジツールにアイデアの内容を可視化だけするようにしました。なぜなら、プロジェクトが動き出したときに発案者んお「なぜ?」という前提部分は知っておきたかったからです。
・途中報告とフィードバックをやめた
こちらも同じように、会社で使っているナレッジツールにプロジェクトを可視化だけするようにしました。プロジェクトはなるべく早く動き出し修正する。これを繰り返し進めるようにしました。
なぜなら、メンバーにとっては、アイデアを具現化しプロジェクトをゴールまで達成するフローを経験できる学習につながるからです。
なぜ、アイデアやプロジェクトに対して「いい・悪い?」の判断をやめたのか?
やめた部分のいずれにも共通しているのは、メンバーの考えたアイデアやプロジェクトに対して、「いい・悪い」の判断しないということです。理由は、3つあります
評価することでメンバーは本来の目的が見えなくなり評価者のためのアイデアやプロジェクトを考えてしまうからです。そして、それが続いてしまうと新しいアイデアを提案することにためらうようになります。
アイデアやプロジェクトに対して最後までやり遂げることに責任を持たせる機会が減るからです。プロジェクトの川上から川下まで経験できることは個人にとっとても組織にとってもメリットがあります。その機会を防ぐのが続くと、最後は上司が決める・・・・とか、最後は会社が決める・・・という考えに陥ります。
まあ、裏側ではそうしている部分もありますが。多様な視点の欠如になりかねないなからです。私が微妙だと思っても、他のメンバーや一緒に取り組んでいるメンバー同士は違う視点でいいと意気投合していることもあります。もしかしたらそこから他のアイデアを考えていたり、他のプロジェクトと関連づけようとしているかもしれません。
それを悪いと判断することで、次へのアイデア醸成を潰す可能性があるからです。
なので、わたしは「いい・悪い」の判断はやめました。
(もちろんアイデアやプロジェクトに対してのフィードバックを求められたら喜んで参戦します!なぜなら好きだから)
では新規アイデアやプロジェクトが始まった際にどの点を見るべきポイントに変更したかは、まだ模索中ですが、キーワードは「失敗の総量をマネジメント」です。
ミドルマネージャーの役割は失敗の総量をマネジメントすること
メンバーがアイデアやプロジェクトを通して学び成長するためには、失敗したらダメだという考えにならない環境を用意することが重要と考えてます。
失敗することで、どこがダメだったのか?どう改善すれば次はうまくいくか?とリフレクションを行い自分から次のアクションを考える状態になる環境を用意することです。
しかし、大きな失敗が起きてしまうと、時既に遅しになるため、私は過去に自分自身が失敗したことで会社や関係者にご迷惑をかけてしまった影響度と関連付けながら、メンバーが取り組んでいる新規アイデアやプロジェクトのリスクマネジメントすることが大切なのではないかと思います。
ちなみに失敗の総量をマネジメントという言葉はこちらの動画を見て、そのままパクっています笑
失敗の総量をマネジメントする観点
・失敗した時に会社へ、どの程度影響があるか?
アイデアやプロジェクトに関わっていない他のメンバーに、リスク影響が出ることはないかは考慮しています。最悪起きたとしても、同じ部署内やチーム内で収束できるような新規アイデアかプロジェクトかはマネジメントの観点になります。
個人的な経験上、何も知らない状態で突然のトラブル対応に追われると心身ともにリソース奪われることが多いからです。(それでも起きるときは起きますけど・・・・)
・担当するメンバーのリソースがどの程度負担になるか?
新しいアイデアやプロジェクトが立ち上がるときは、誰でも興奮してしまいます。
長期と短期にもよりますが、特に短期の新しいアイデアやプロジェクトの場合、
既存タスクや案件にフォーカスしてもらった方が効果が高い場合もあります。その場合は、今の既存タスクや案件の中で、新規アイデアやプロジェクトを取り組むことができないか?一緒に考えるようにします。
・撤退ができて、違うアイデアやプロジェクトへ直ぐに移行することができるか?
ただメンバーによっては、どうしてもやりたいという衝動が抑えれないこともあります。その場合は撤退基準を設け、もしうまくいかないプロジェクトとわかった時に、すぐ別の新規アイデアやプロジェクトへ移行することができるか内容かを見極めます。
例えばターゲットをかなり限定的にしてスタートさせてうまくいくか?考えているアイデアやプロジェクトの一部を試験的に行いユーザーの反応がどうか?
スモールステップを踏むことができないかを考えます。
終わりに
ここまで書いてきましたが、突き詰めると、ミドルマネージャーの役割は、新規アイデアやプロジェクトが短期/長期で掲げている目標に近づくものなのか?
そして、それがメンバーのキャリア成長につながることなのか?というのを見ることが大事ではないかと最近は考えています。
そして、メンバーが何か新規アイデアやプロジェクトを進めようとしている時に、ミドルマネージャーはどのようなリアクションをするか?
「勝手に余計なことをするなよ〜」と思うのか?
または「おっ!何か新しいことを始めてるな〜!」と思い、目標達成とキャリア成長の機会につなげることができるように一緒に伴走できるか?
自分自身も全然、完璧ではありませんが少なくとも常に後者のリアクションができるミドルマネージャーでありたいなと思います。
参考リンク
・革新を生むルール違反、「創造的逸脱」とは?中央大学・高田直樹さんと考える、イノベーションを育む組織のかたち
https://www.cultibase.jp/articles/11084
・僕は世界で一番、権威や権力のないCEOになりたい [インタビュー] リーダーの仕事は失敗の総量をマネジメントすること
https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10497