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フラットな組織です!とは言うけれど・・・・

ビジネスの事業成長を推進するには、意思決定をいかに速くし、実行に移せるかがポイントになります。
そのためには組織はなるべくフラットにすることが重要です。しかし一方で全てがフラットなのはいいことなのでしょうか?
「うちの組織はフラットなんです」と謳って、採用を高める企業もあります。しかし意味や解釈は、企業によってさまざまです。

私の考えるフラットな組織について、掘り下げてみたいと思います。

フラット組織を分解すると「文化」と「情報設計」がある

よく言われるフラット組織というのは、前者の「文化」の意味を指していることが多いです。文化というのは、外からは見えず、内部にいないとわからない空気感や関係性を指しています。

例えば、
・上下や年齢関係なく意見交換を交わすことができる
・与えられたポジションや役割を超えて、顧客の課題解決や事業成長に必要であればどんどん進めていく
・ボトムアップでアジャイルに動かしながら課題解決を迅速に行う

一方、事業を推進するためには「意識決定」が不可欠です。この意思決定をフラットで取り組むと1つ落とし穴が出てきます。それが常に話し合いやミーティングの時間に取られてしまうジレンマです。
これは人数が多くなれば多くなるほど、指数関数的に増えます。

コロナ禍の頃、フラットな組織と謳いながら事業を進めていました。しかし、そこで出てきたのが終わりのない話し合い時間と、永遠に増え続けるミーティングでした。

当時はなんでこんなにミーティングが増えるのか?なんでミーティングが続くのか?
ずっとわからなかったのですが、ある図を見たことで、原因がわかりました。

人数が増えれば増えるほど、コミュニケーションを通して出てきた情報を共有するのが複雑になることです。

人数が増えれば、増えるほどコミュニケーションの数が増えるのを可視化した図

私が今の会社に入社したのは、まだ3,4名の頃なので情報を共有するライン数は3~6程度でした。そのため、フラットで常に話し合いやミーティングをしても、そこまで負担がありませんでした。むしろどんどん意思決定が進んでいくのがとても楽しく、フラット組織最高!!という状態でした。
当時の経験を、後に入社してくる他の方にも経験してほしい。そんな思いがありました。
だから、何かあればミーティング、意見交換みたいなことをしていました。
しかし人数が、6,7,8人と増えてくると「あれ!?ミーティングだけで一日終わった」みたいなことが頻繁に起こり始めました。

コミュニケーションは人数が増えるほど複雑化する。
だから私は情報のコミュニケーション数を最適にするために「情報設計」はフラットではダメだという結論になりました

フラットで「情報設計」すると頻出する問題

  • 自分には、大きく関わることがない情報までも時間を取られる

  • 発散の時間が長くなり、収束と最終意思決定への時間確保が取れない

  • 役割の線引きが曖昧になり、それぞれの立場からの意見交換がしずらい

これらの問題を解決するには、どのような要素が必要となるのでしょうか?

「分業」と「調整」の情報設計をすることで最適な情報設計を行う

「分業」は組織のメンバーがそれぞれの役割を決めて分担することを指します。これをすることで効率性が生まれます
「調整」は役割を分けたメンバー同士がうまく調整することを指します。これをすることで成果の集約につながります。

より教科書的な本はこちらがおすすめです。

分業と調整のメリットを活かすには、いくつかのポイントがありそうです。
例えば、各メンバーの役割を明確にし、それぞれの強みを最大限に引き出す環境を整えることが重要です。役割がはっきりすると、責任感が生まれ、効率的に業務を進められます。

自分たちの組織だと、新規の顧客向けに何か取り組むのが得意な人がいれば、既存の顧客向けに何か取り組むのが得意な人もいます。また新規既存問わず、エリア責任者を置く事で力を発揮できる場合もあります。

次に、調整の場を設けて、メンバー同士の情報共有を円滑にします。
例えば、定期的な1on1や振り返りの機会を通じて、お互いの進捗や課題を確認し、必要なサポートを提供できる体制が必要になってきます。そうなると闇雲にミーティングをするのではなくある程度、ルーティン化できるカレンダーデザインが大事になります

こうした工夫により、組織全体のパフォーマンスが向上し、目標達成に向けた一体感が生まれます。

では、意思決定をする役割の方はどうするかというと、現状は、「失敗総量をマネジメント」を意識することが大事ではないかと思います。

まだ、私が所属する組織もフラットからの移行期フェーズなので、実務に関してはまだ模索中です。いろんな取り組みを知れたらなと思います。

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