世間知らず
世間知らずの金持ちじゃないお坊ちゃんという不名誉な称号を実際に使われたことはないが、そのような傾向があるのは否めず、自覚的でもあった。
そのことが若いころからわりと最近までコンプレックスだったし、社会に出てからの実害としては、信じる前提、性善説で人と接して裏切られるというもので、これがコンプレックスに追い討ちをかけていた。
でも、ようやく最近になって、多分消えてはいないこの自分の特性との距離感が掴めるようになってきたらしい。それは様々な恩恵として我が身に好影響を及ぼしつつある。
まず、他人によるストレスが大きく減った。いや、無くなったと言っても良いかもしれない。
ではどうやって距離感を掴めたか?
とてもシンプルで簡単である。
距離感を掴む、つまり現状を認識して明らかにする、つまり周りを見渡してみて、その他人な人たちがどの程度世間を知っているのかを、観察してみるのである。
ほとんどの場合、自分よりその人たちの方が、ずっとずっと世間知らずではないですかね?
井の中の蛙ばかりではないですかね?
もちろん、知らない世間のカテゴリーやベクトルに差はあるけど、それとて偏見が強い人という見方ができるし、専門性の高い仕事や知識を有する人ほど排他的だし、優れた自分という我を色濃く纏って生きているものです。
それに比べたら、自省的に悩んできた人の方が、きっと世間を知っていると思うのです。