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2024年の年の瀬は、女優について考えたい

「女優」という言葉からまっさきに思い浮かぶもの。それは「女優倶楽部」の存在だ。

女優倶楽部は、宮澤エマ・関谷春子・まりゑ・皆本麻帆・万里紗という個々で活躍する5人の女優からなるユニットである。2016年に発足して以来、めちゃくちゃ不定期ではあるものの現在に至るまで続いている、女優による女優のための本気の倶楽部活動だ。

活動内容はYouTubeでの楽曲カバー、即興芝居にはじまり、最近はトーク配信やステージパフォーマンス、オーディオドラマなど多岐に渡る。そのときそのときで彼女たち自身が面白いと思ったものを、自分たちで自由に表現・発信するというスタイルだ。どれも基本的にパッションプロジェクトであり、女優倶楽部の活動を面白がるクリエイターや役者が集ってコラボすることも少なくない。

女優倶楽部と出会ったのは、コロナ禍真っ只中の2020年6月。あらゆるライブエンターテインメントが中止となり、時間が止まってしまったあの期間。やっと外出自粛要請が解けたタイミングで女優倶楽部が配信コンテンツを作るということで、現場のスチール撮影を担当させてもらった。

早朝、今はなき有楽町 micro FOOD&IDEA MARKET。白い衣装を身にまとった女優たちが続々と姿を現した。”女優”という言葉を前面に出している彼女たちに対して多少なりとも構えていたところがあったのだが、それは見事に杞憂に終わった。弾丸女子トークで大いに盛り上がる自然体な彼女たちを見て、ただ友人と一緒にいるだけで爆笑していた女子校時代が頭をよぎった。

カフェでの収録を終えたあとは日比谷公園へ場所を移すことになっていた。その日は6月とは思えないほどの猛暑日。スタッフの女の子と一緒にファミマへ駆け込んで、5本の日傘を買った。強烈な日差しがジリジリと照りつける中、日傘と大量のいろはすを抱えて日比谷交差点を歩いたことを、なぜか昨日のことのように覚えている。

この公園への移動時間すら、女優倶楽部の5人は自撮り棒を手になんとも楽しそうに歩いていた。コロナ禍故にマスクはしていたけれど、そのマスクの下には笑顔があるのがわかった。きっと、5人揃っていれば何をしていても楽しいのだ。

約半日におよぶ収録を経て、彼女たちを面白がって協力する人たちの気持ちがなんとなくわかった気がした。

その後は2021年にインタビュー、2022年にステージイベントでアシスタントMCとして彼女たちの活動にちょろっと関わらせてもらった。女優倶楽部が気になる方はぜひこちらの記事↓も読んでほしい。女優倶楽部の成り立ちや部員たちの役割なども語られている。

不定期でマイペースな女優倶楽部の活動は(彼女たちはよく"牛歩"と言う)、どんどん自由に花開いていっているように見える。"女優"倶楽部と名乗る彼女たちは、表現活動を通して"女優"という言葉から自由に飛び立とうとしているのかもしれない。出会ってからこれまでを陰ながら見守ってきた今、そんなふうに感じている。

今年で結成8年目を迎えた女優倶楽部だが、12月27日(金)に天王洲にて念願の単独イベントを開催する。その名も『女優倶楽部の、最初の晩餐』。

歌あり、トークあり、朗読あり。「いつか5人で舞台を作りたい」という夢に向けた、大きな一歩。これまでの女優倶楽部としての活動の集大成のようなイベントになるのではないか、と勝手に思っている。

女優倶楽部とは、女優とは、一体何なのか。

2024年の年の瀬に、この目で確かめたい。

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