自然生態系からみた人間の生存論と生活論 第一章〈一生物種〉にすぎない人類
本来、人類はあまたの生物とそれをとりまく環境により構成される生態系の中の一生物種にすぎない。しかし、人類は他の生物と比べ資源やエネルギーを著しく多量に消費し、環境の大きな改変を伴いながら文明を築き、その個体数(人口)を著しく増大させ、生態系あるいは環境において特殊な存在となってきたという一面をもっている。今日、ヒトという一生物種の活動が環境を地球規模で改変し、多くの生物にも影響を与えつつある。
まず最初に、生態系からみたヒトという一生物種の特殊性を、他の生物との比較の中で整