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聖徳太子の『未来記』とモーツァルトのオペラ『魔笛』は「酷似」なのか?検証①
(とある合コンにて)
春樹:「オレ、都市伝説とか好きでー」
夏美:「信じるか信じないかは…(笑)」
春樹:「そうそう」(よーしツカミOK!)
夏美:「あれって話してる人の話術がすごくて!そういえば前に、聖徳太子が書いた本が何とか…っての、あったよね?」
春樹:「ああ、聖徳太子が書いた『未来記』がモーツァルトのオペラ『魔笛』の内容とそっくり!ってやつ。結構有名な話だよ」(ドヤ!)
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夏美:「へ~、よく分かんないけど、それってスゴイことなの?」
春樹:「そりゃスゴイよ!」
夏美:「何で?」
春樹:「つまり、『未来記』ってのは聖徳太子が書いた「未来を予言した予言書」な訳」
夏美:「へぇー!ってことは、9.11とか3.11とかも書いてあったの?」
春樹:「あ、いや、そういうのは書いてないけど」
夏美:「え、じゃあ何が書いてあるの?」
春樹:「たしか蒙古襲来とか、黒船来航とか…」
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夏美:「プッ!それってモーツァルトと関係なくない?ってか、そのオペラって観たことあるの?」
春樹:「あ、うん。まあ…」(観てねーし)
夏美:「じゃ、観た人は全員、未来の出来事を知ってるの?」
春樹:「あ、いや、何ていうか…抽象的な話で」(汗)
秋奈:「私、小学校の音楽の授業で習ったよー(モグモグ)。たしかモーツァルトの『魔笛』って、「王子様が囚われのお姫様を助けに行く話」だよー(モグモグ)」
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夏美:「え、ロープレ!?だったらぜんぜん予言じゃないじゃん。何で2つの話が「そっくり」なの?」
春樹:「えーっとつまり…、要するに、聖徳太子もモーツァルトもフリーメイソンなんだ」
夏美:「へ?フリーメイソンってそんな昔から日本にあったの?」
冬彦:「(コホン!)フリーメイソンは16世紀から17世紀にかけて結成されたと言われているよ。もちろんヨーロッパで」
夏美:「だよね~。そんなの昔の日本にあった訳ないじゃん」
春樹: (なんだよ冬彦のやつ…)
秋奈:「んでね、後半は「王子様とお姫様が修行する話」だよー(モグモグ)」
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夏美:「はぁ?何で王子様とお姫様が修行なんかするのよ?」
秋奈:「分かんなーい(モグモグ)」
春樹:「そう!その修行が実はフリーメイソンの儀式なんだ!」(よっし!)
夏美:「じゃあ、その儀式の方法が聖徳太子の本に載ってたの?」
春樹:「いや、そうじゃないけど…」(再汗)
冬彦:「そもそも聖徳太子の『未来記』ってのは、「内容を公開すると世が終わる」って伝えられてて、今でも非公開。大阪の四天王寺で厳重に保管されてるってウワサの秘伝書だよ」
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夏美:「ええ!じゃあ2つの話が「そっくり」って言われてるのって、結局何なのよー?」
春樹:「えーっと、それは…どうしてだっけ?」(冬彦ー!オマエ余計なこと言いやがって!…)
(とんだ四天王会談でしたとさ。つづく…)
2020年10月1日、十和田のnoteにて。
「これからモーツァルトのオペラ『魔笛』を観まーす!内容はいずれご紹介」などと書いたきり、4年間放置してしまいました。<(_ _)>
そして前回のnoteの中で
① 『未来記』by.
聖徳太子厩戸王(?)
② 『未然本紀』by.聖徳太子厩戸王(?)
…
と書いたりしましたので(↓)
その流れで、今回はこの都市伝説、
「聖徳太子の『未来記』とモーツァルトのオペラ『魔笛』は酷似している」
に迫ってみたいと思います。
※十和田式に要点だけシンプルにまとめています。詳細をお知りになりたい方はググって下さい。間違いがあったらコメント欄からご指摘願います。<(_ _)>
モーツァルトのオペラ『魔笛』とは?
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モーツァルトと『魔笛』
モーツァルトは35才の生涯の中、数え切れないほど多くの楽曲を世に生みました。「バケモノ級」と表現するのがピッタリで、オペラだけでも21作品を手掛けています。
その21作品目に作られた最期のオペラが『魔笛』で、モーツァルトが生涯最期に「完成させた作品」になりました(この後『レクイエム』の制作途中で逝去)。
『魔笛』は彼が亡くなる約2ヶ月前にウィーンの劇場で初公演。このときモーツァルト自らがオケピットで指揮を執り、劇場は連日の大盛況!映画『アマデウス』でもその様子が再現されていましたね。
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* * * * *
《オペラ豆知識》
衣食住に満ち足りた貴族階級者が「悲恋話に涙する」のは洋の東西を問わないようです。
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テレビも映画もない時代、ヨーロッパで娯楽といえば
オペラ (悲劇) → 貴族向け
オペレッタ (喜劇) → 庶民向け
が主流ですが、モーツァルトの『魔笛』は
オペラ (喜劇) → 庶民向け
のスタイルです。何故かって?
それは『魔笛』が庶民のために作られたオペラだからです。
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* * * * *
『魔笛』とフリーメイソン
オペラ『魔笛』は以下3人による制作です。
企画 : ボルン
脚本・出演・劇場支配人:シカネーダー
作曲:モーツァルト
モーツァルト最期のオペラ『魔笛』。作中の楽曲レベルは高く、多くの観客を魅了しました。素晴らしい音楽が散りばめられたこのオペラは、当時100回を超えるロングランを博して大成功に!
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しかしながらシカネーダーの手による脚本は不評だったようです。現代の私たちが『魔笛』を観てもストーリーや演出に意味不明な描写が多く、他のオペラ作品に比べても違和感を感じることでしょう。
そのセリフの意味は?何でそんな展開に?なぜいつも3人組が登場?演出の三角形の装飾は一体?…等々。
それもそのはず。物語には一般の人が観ても分からない、多くの暗号が散りばめられているのですから。『魔笛』にはフリーメイソンの人ならば観たらすぐにピンと分かる、いくつもの「秘密」が隠されているのです。
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モーツァルトもボルンもシカネーダーも、フリーメイソン会員だったことは知られています。当時、知識人たちがフリーメイソンのロッジに集い情報交換し合うのはある種のステイタスでした。
ではなぜ、彼らはそんな「フリーメイソンの秘密」が込められたオペラを、一般の人たちに向けて上演したのでしょうか?
世界一わかりやすい『魔笛』あらすじ(ざっくり)
オペラ『魔笛』は公演時間が3時間半を超えるまさに超大作!そのため「ざっくり解説」です。細かい部分は省略したりまとめて書いたりしているので、その点はお許しを<(_ _)>
* * * * *
1. 主人公・タミーノは狩衣を着た日本の王子。
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大蛇に追われてとある国に辿り着き、山中の岩場まで追い込まれる。
絶対絶命の大ピンチ!(タミーノは弓を持っているが矢は持っていない)
2. 通りがかった夜の女王に仕える3人の侍女たちに助けられる。セーフ。
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3. さらに通りがかった鳥専門の狩人・パパゲーノが登場。
彼は全身を羽で覆い、まるで蓑を着ているみたい。
とても面白い人だけど、何だか成り行き任せの人生を送っている?
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4. 3人の侍女から夜の女王の娘・パミーナの肖像画を見せられたタミーノ。
マジで恋する5秒前。なぜだか一目で恋に落ちるよ。
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5. 夜の女王が登場。
「私の大事な娘のパミーナが、隣国のザラストロに誘拐されたんざます!
ザラストロは悪魔。ホントに酷いヤツざますのよ!」
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6. 「マジすかオバはん!オラがパミーナさんを連れ戻しに行きまっせ!」
タミーノに同行するパパゲーノ。そんな2人を 3人の童子が道案内。
タミーノは《魔法の笛》を、パパゲーノは《魔法の鈴》を手に入れた。
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7. ザラストロの国に到着。なかなか立派な国だ。思ってたんとちゃうし。
イシス・オシリス信仰をしてるみたい。ここってもしかしてエジプト?
神殿内に偵察侵入を試みるパパゲーノは奴隷頭のモノスタトスと遭遇。
何やかんやあって、パパゲーノは無事にパミーナと合流。
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8. 神殿前に姿を現したタミーノ。3つの扉を試すと3神官の1人が登場。
「あんさん、だまされてはるわー。パミーナさんは神のご意志で
この国に来ましてん。ザラストロさんはこの国のTOPオブ神官よ?
夜の女王こそ、極悪非道の大悪人ですがなー」
「ええー!マジっすか!?」
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9. 「何が何だか、人間不信やわー。そや、笛でも吹くべか」とタミーノ。
《魔笛》の音色を聞きつけてパパゲーノとパミーナがやって来るが、
またしても奴隷頭のモノスタトスまで現れて、てんてこ舞い。
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10. すったもんだのさ中、神官たちを引き連れてザラストロ登場。
初対面のタミーノとパミーナは一目でフォーリン・ラブ。
2人の仲を裂こうとするモノスタトスを制するザラストロ。
ハッピーエンドと思いきや、タミーノとパパゲーノは何やら試練に…。
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(第一部・幕)
* * * * *
11. パミーナの前に夜の女王(おかん)現る。復讐の歌『夜の女王のアリア』
を歌い、パミーナに剣を渡してザラストロの〇害を命じて消える。
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超絶技巧曲(多分1度は聴いたことがあるのでは?)
12. パミーナが正直に打ち明けると「この神聖な殿堂に復讐などはない」 とザラストロは教団、いや国の理念を歌って彼女を許す。
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13. 一方、タミーノとパパゲーノは3神官のうちの2人から課された
「沈黙の修行」に取組み中。そこへ何も知らないパミーナが訪れる。
口を利いてくれない2人に絶望したパミーナはその場を立ち去り、
母の剣で自〇を試みるも、3人の童子が現れて食い止める。
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14. 「沈黙の修行」に落第し、理想の恋人・パパゲーナを失い悲嘆する
パパゲーノ。首〇り自〇を試みる彼の前にも、やはり3人の童子が
現れて、彼に《魔法の鈴》を使うように勧める。
鈴を振るとたちまちパパゲーナが出現。2人は『パパパの二重唱』を
歌い、2人で子どもを大勢作って楽しく暮らすぞー!と大喜び。
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15. 「沈黙の修行」を無事にやり終えたタミーノの元に現れたパミーナ。
誤解が解けて再会を喜んだ2人は力を合わせ、《魔笛》を用いることで
「炎の修行」と「水の修行」を見事にやり遂げる。
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16. ブチ切れた夜の女王は3人の侍女を率いてザラストロの神殿を急襲。
しかし彼女らはまばゆい光の前に、もはや打ち勝つことができない。
皆で太陽を讃え、イシスとオシリスの神々を讃え、修行をやり終えた
タミーノとパミーナを合唱で祝福するのだった。
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(第二部・幕)
おしまい
『魔笛』が創作された目的は?
このオペラの見どころはいくつかありそうです。
まずは登場人物たちが国境、身分、宗教の壁を越え、互いに理解し協力し合うことによりハッピーエンドを迎える点です。
フリーメイソンの「自由、平等、友愛、寛容、人道」いずれのエッセンスも盛り込まれていますね。
『魔笛』とフリーメイソンとの関係について、詳しくは専門家に譲るところですが、上記あらすじをお読み頂いた方には、何となく汲み取って頂けたのではないでしょうか?
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また、最初は善人だと思っていた夜の女王が実はたいへんな悪人で
悪人だと思っていたザラストロが国家最高位の高僧だった…
「善玉と悪玉の設定が途中でガラリと入れ替わる」点、
これは現代の私たちが観ても、日頃の慣習や価値観が本当に正しいのか?
今一度考える必要があることを暗示しているようです。
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時代背景を考えると、ウィーンで『魔笛』が上演された1791年は、スイスを挟んだフランス国内では革命の真っただ中。かのバスティーユ牢獄の襲撃(1789年)から僅か2年。庶民の価値観が大きく変わる時代にあった訳です。
フランス革命を起こしたのもフリーメイソンと言われていますね。
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* * * * *
オペラ『魔笛』が貴族階級者ではなく、庶民に向けて創作・上演された目的は、フリーメイソンの存在や理解、友愛結社が掲げる理念や目的を、それとなく当時の人々の心中に投げかけると共に、人々の価値観の転換や今後の新しい社会の到来を暗示する、ある種のサブリミナル・メッセージだったのではないでしょうか?
テレビもラジオもない時代、劇場で演じられたオペラ『魔笛』は最初の広告媒体だったのかもしれません。(十和田説?)
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* * * * *
新しい社会、支配者からの解放…
この物語にサブキャラとして登場するパパゲーノ。彼は夜の女王の国で何の疑いもなく成り行き任せの日々の生活を送っていました。当時の多くの庶民らは、このパパゲーノのような人生。
これは上演から230年以上を経た現代でも同じことが言えるでしょう。
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対する主人公・タミーノとその恋人・パミーナは、3つの修行で魂を磨いたことにより、気付き、目覚めた人。
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某都市伝説番組の「いい加減に気・付・け・よ!」のメッセージ、
これもこの物語と同様、私たちの世の中の仕組みに対する気付きを促していると言えるでしょう。
夜の女王どころじゃないのが上の上の方にいるんでしょうね、きっと。
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聖徳太子の予言書『未来記』とは?
では、ここからは一転して聖徳太子が記したとウワサされる『未来記』のお話です。
聖徳太子が神託によって記したのであれば、『未来記』は「予言書」ではなく「預言書」とするのが正しいでしょう。
…と行きたいところですが、少し長くなりましたので、今回はここまで。
この文章は、エンターテイメントとして書いています。
お楽しみ頂ければ何よりです。
今回もお読み頂き、ありがとうございます。(^^)/