VUCAの時代とお茶
今日は全国的に雨のところが多かったのでしょうか。この時期は豪雨にならなければ、気温がほどよく下がり過ごしやすいのですが。
アメリカで90年代頃から使われ始め、2010年代になりビジネス界でも言及されることも増えてきたVUCA(ブーカ)という言葉をご存知でしょうか。
VUCAとはVolatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字から。想像の先を行く技術の進歩、異常気象や軍事侵攻・紛争など先が不透明・不確定の時代になったと。そして「想定外」のことばかりが起きる時代に、企業はどのように経営をしていくか、また個人はどういう対応を取るのがよいか(仕事を得ていけるか)、答えを選び取っていかねばならない、と言われているようで。
その対応の為に語られるのがOODAループ(Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(実行))や俊敏性などと訳されるAgilityという言葉。が、言葉に飛びついて行動しても時代に波に流されるだけです。
個人の場合。長らくビジネスの世界でも言われてきた「SWOT分析」、このうち内部環境=己に関するものであるStrenghとWeakness、つまり強みと弱み。結局ここを客観的に把握できていないと、取るべき行動を間違えます。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とも。VUCAなんて名前をつけなくても、今までだって未来を知ることが出来た人はいませんでした。それでも外界と対峙しつつ、己を過大評価も過小評価もせず冷静に見つめた上で行動を決めた人が残ってきたのでしょう。外界だけでなく、己も変わります。年を経て体力が落ちてくる反面、経験を積んだこともあるでしょうし、貯めたお金もあるかもしれません。これからの一日24時間を何に誰と使いたいかも考えて。己を知ることが出発点です。
そういったことを考える時に、忙しくて仕事しか見えていないと判断が偏ったり、誤ることもあります。お茶という「わかりやすい成績表」の無い世界でもいいですし、スポーツやボランティア活動、世代の異なる人との交流でも、仕事とは別の視点があると、より大局を見据えた判断ができるかもしれません。よりよい人生を送るために。
己の答えは、他の誰も持っていないですし、皆、自分の正解を知りません。が、このVUCAなんて言われる時代を悔い少なく乗り切るために、日ごろより己を見つめ、知る時間も大切にできるとよいですね。
今日の菓銘は「花あやめ」。
雨の日の花の姿もよいものです。
太陽光が強いと目への紫外線の負担も大きくなるとか。そろそろ傘やサングラスなども使いながら、お出かけなさってください。