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名前を間違いやすい花~鳴子百合~

大阪は昨日、今日と25度前後まで気温が上がり、汗ばむ陽気でした。ここ数年、袷(あわせ)の着物は4月までしか着れず、5月になると着物は単衣(ひとえ)、長襦袢も絽の洗濯可のものを着るようになっています。

前々回、鳴子百合が咲きそうという話を書き、お稽古に持って行けるなと思いながら茶花の事典を開きました。茶花は自分の師事している先生、もしくは社中が持ち寄るので、その範囲で栽培されているものに基本的に触れることになります。購入するのでなく、知り合いから「〇〇というのよ」と分けていただいて、自分で育てていくことも多いです。そんな中、別の社中の方が混じる環境で、「いえいえ、これは△△というのよ」と指摘され、名前が間違っていることを知ったということが何度かあり、できる限り事典を参照することにしています。

この「鳴子百合」は、先輩から昨年いただいたもので、今年無事に花をつけ、しげしげと眺める機会を得ました。で、事典を開くと・・・「鳴子百合」ではありませんでした。正しい名前は「あまどころ」・・・。

ネットでは似た植物として違いを詳しく説明しているページも多かったですが、一方両者の写真を混同しているものも少なからずありました。ネットだけの参照の限界を感じます。

鳴子百合とあまどころの違いの一つは、前者が花をまとめて3~5つほどつける一方、後者は1~2つ程度。また後者の方が花期が早いです。他にも色々ありますが、ここでは詳しくは述べません。

先日のぞいた花屋では、「あまどころ」に「ナルコユリ」の札が刺されて売られていました。札を作った方は、違いを知らないということはさすがにないでしょうが、その違いに重きを置いていないのでしょう。花屋の売り子さんによっては、「ナルコユリ」だと思って販売している方もいらっしゃるかもしれません。誤解が広がる環境が醸成されています。わたしとしては「あまどころ」のたたずまいが好きなので、名前の間違いは本質的な問題ではないのですが、やはり正しい知識は持っておかねば、まして今や人様に間違った知識を広めてはならない、と強く思い直した次第です。

今日の菓銘は「都鳥」。
お茶をなさる方や古典の素養がある方だと、この時期に「あぁ」となるかもしれませんが、そうでないとわかりづらいかもしれません。都鳥については、またどこかで書きたいと思います。

大阪は週明け気温が3月末並みに下がる予報です。まだまだ気候が落ち着きません。どうぞご自愛ください。

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