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SBI・SCHD爆誕


1. はじめに 

 2024年11月20(水)、SBIグローバルアセットマネジメントから「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」のプレスリリースが公表されました。(以下、SBI・SCHDと表記) 

詳細は下記を参照ください。

 楽天証券で9月から楽天・SCHDが設定され、純資産は既に500億円を超えています。多くの投資家からSBI証券での取扱いも希望されていたので、今回の対応は想定の範囲内ですが、このスピード感で新商品を出してくるのは流石はSBIと言えます。 

2. SBI・SCHDは買いか?

結論ですが、SBI・SCHDは買いなのか?
→日々のキャッシュフローを配当収益で補いたい方は買いです。  

3. SCHD投信は誰に向いている?

 以下の記事で両建てポートフォリオと高配当ポートフォリオに関して言及していますので参照ください。

 少し前に記事で高配当ポートフォリオを組むのであれば以下のような形を提案しました。 (1億円基準のポートフォリオ)

- 米国高配当投信(VYM,SCHDラップ)3,000万円
- 日本株高配当個別銘柄 3,000万円
- JREIT個別銘柄 2,000万円
- 米国債券(EDV,AGG)2,000万円

 この時はまだ楽天・SCHDしか登場してませんでしたが、SBIからもSCHDをラップした投信が登場することで選択肢が広がりました。どちらの投信もSCHDというETFを買い付けるだけの投信なので信託報酬の安さで選んで問題ありません。最終判断は一期目の決算後ですが、ややSBIの方が安い設定です。 

 この投信はNISA口座ではなく「特定口座」での運用をお勧めします。理由は現地課税の取扱いです。NISA口座を活用すると国内課税分は無税となりますが、現地課税は回避できません。 

 よってNISA口座でSBI(楽天)・SCHDを保有した場合、実質的に現地課税10%の負担となります。国内株式やリートの場合、二重課税問題は生じないのでNISA口座の活用も選択肢となります。 

 次にどの程度の金額を購入したらよいか?ですが、目安は日々のキャッシュフローです。高配当ポートフォリオは全体を通じて日々のキャッシュフローをカバーできる金額があれば必要十分です。 

 投資効率を追求すると配当投資は非効率と言われているのはその通りですが、使い方次第というのが実情です。「日々の生活に必要な金額以上の配当収入は税金を考慮すると非効率」というのが正確な表現だと思います。 

 多くの現役世代は日々のキャッシュフローを会社員債券(要するに給与)で賄っていますが、FIREや定年を迎えた方は別の方法で補う必要があります。この際に配当収益が候補となります。 

 とはいえ、配当収益が年間で1億円あってもそれは過大な金額であり、多くの方は300万円~1000万円程度あれば充分かと思います。従って配当目的のポートフォリオは予め上限を決めて買い過ぎないことが重要となります。目標額達成後は複利効果を考慮して配当再投資型のインデックスファンドがお勧めです。 

 最後にそもそもSCHDって高配当ETFとしてどうなの?という点について補足します。米国高配当ETFというとSPYD・HDV・VYMなどが存在します。SPYD・HDVは銘柄構成に難がありますが、VYMは安定のバンガードで分散性も申し分ありません。 

 既にSBI・VYMを購入している方は急いでSBI・SCHDに乗り換える必要はありません。直近はSCHDの評価がVYMを上回っているように感じますが、サイクルや切り取る期間によってどちらが有利かは変動します。

 より分散性を求めるのであればVYM、増配やキャピタルゲインも狙いたければSCHDという考えもありますが、両社には大きな差はありません。好みで選んで問題ありません。 

4. 主は購入するか?

 私はウォッチリスト銘柄に登録しつつ、購入は保留とします。理由は今すぐに配当が欲しいわけではないからです。現在は給与収入で日々のキャッシュフローと毎月の積立投資分の資金を捻出している状態で、別途の配当収入は不要な状態です。 

 加えて現時点の為替水準(150円前後)はやや円安傾向にあるので、円換算で評価される投信である以上、出来るだけ円高タイミングで仕込みたいという理由もあります。 

 海外の高配当個別株を購入する場合は「為替+株価」の両方のタイミングを見極めることが必要ですが、インデックスの場合は集合体として価格が形成されているので個別株投資のようにタイミングに神経を尖らせる必要はほとんどありません。 

 大きなトレンドとしてマーケットが悲観ムードになっている状態且つ円高傾向のタイミングであればSCHD投信を買うタイミングとしては問題ありません。すぐに配当が欲しい、という方以外はマーケットの転換と為替の様子を見ても良いかもしれません。


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