偽アルドステロン症について
血圧を上昇させるホルモン(アルドステロン)が増加していないにも関わらず、高血圧、むくみ、カリウム喪失などの症状が現れる「偽アルドステロン症」は、医薬品によって引き起こされる場合がある。
主に甘草やその主成分であるグリチルリチンを含む漢方薬、風邪薬、胃腸薬、肝臓の病気の医薬品でみられ、また一般用医薬品でもみられることがあるので、何らかの医薬品を服用していて次のような症状が見られた場合には、放置せずに医師、薬剤師に連絡するようにして欲しい。
「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「こわばり」が見られ、これらに加えて「力が抜ける感じ」、「腓返り」「筋肉痛」が現れて、だんだんキツくなる。
■偽アルドステロン症とは
アルドステロンは副腎から分泌され、体内に塩分と水分を溜め込み、カリウムの排泄を促して血圧を上昇させるホルモンです。
このホルモンが過剰に分泌された結果、高血圧、むくみ、カリウム喪失などを起こす病気が「アルドステロン症」と呼ばれている。
偽アルドステロン症は、血中のアルドステロンが増えてないのに、アルドステロン症の症状を示す病態で、主な症状として、「手足の力が抜けたり弱くなったりする」「血圧が上がる」などが知られている。
これに次いで、筋肉痛、体のだるさ、手足の痺れ、腓返り、麻痺、頭痛、顔や手足のむくみ、喉の乾き、食欲の低下、動悸、気分の悪さ、吐き気、嘔吐などがある。
症状が進むと、まれに意識がなくなる、体を動かすと息苦しくなる、、歩いたり立ったりできなくなる、赤褐色の尿が出る、尿がたくさん出たり、出にくくなったりする、糖尿病が悪くなることもある。
主な原因は、甘草あるいはその主成分であるグリチルリチンを含む医薬品の服用だ。
甘草やグリチルリチンは、漢方薬、風邪薬、胃腸薬、肝臓の病気の医薬品などに含まれている。
体内に塩分や水が溜まりすぎることで、血圧の上昇やむくみが起こり、体からカリウムが失われるために、力が抜けたり、筋肉痛や腓返りなどの筋肉の異常が起こったりする。
程度が重い場合には、筋肉が壊れたり、脈が乱れたりする。
■早期発見と早期対応のポイント
数週間あるいは数年にわたって服用してから、初めて症状が出る場合もある。
また、複数の医薬品の飲み合わせで起こることもある。
(続く…)
参考文献:重篤副作用疾患別対応マニュアル
偽アルドステロン症 厚生労働省 平成18年10月