複雑性と付き合う🤲
不確実性が高い時代だ、VUCAの時代だ、云々と言われてますけど、その原因を正面から述べている文献とかって結構無いものですね。
※VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったコトバ。
現在・現代が過去と比較して相対的に不確実性が高い時代だとして、その原因について考えてみると、自分の認識した範囲では下記なのかなと思いました。
①情報と人間が増えた。
②情報と人間が増えたことで、情報と人間の「間」の数が加速度的に増えた。
この②が決定的に不確実性を高めていていると私は捉えています。
例えば日本であれば、情報も人間もそんなに多くなかった1950年代から、
・1960年の所得倍増計画発表(アナウンス効果)
・長期雇用して、家と車のローンを組ませる(国と企業の制度)
・製造業に大きく投資(国と企業の勝ち筋への具体的行動)
といった割と単純な政策・施策でアプローチして「日本の経済成長」(高度経済成長)を果たしました。
それと同時に、情報と人間が増えました。
つまり、生むもの(≒GDP)が少ない状態から多い状態になるうえで、
・生むもの同士の関連性(生産物同士の相関・行き来、統計)
・生む過程での情報(バリューチェーン、人事、KPI、統計、政治・権力争い)
・生む主体としての人間(人口、労働人口)
が増えたました。
本来は、情報(ニューロン、ノード)そのものが増えても、その情報に意味を与えるのは他の情報や解釈をする人間なので、情報単体が増えたことが自動的に複雑性を上げるわけではないです。
ただ、文字や数字や人間が自分の目に入れば意味を与えようとしてしまう・解釈しようとしてしまう・判断してしまう傾向が人間は強いので、情報と人間の「間」(=情報に意味を与えようとするエッジ)が、情報の増加とともに増えていくことで、人間の体みたいな複雑系がとてつもない範囲で構成されていって複雑性が上がります。
数学で言えば、組み合わせの計算(nCr)が「間」の数に対応して、そしてそれぞれの「間」に関して相関関係・因果関係があったりなかったりするので、②「間」という情報も加速度的に増えて複雑性が上がります。🤯
そうしたなかでは、先述の、
・1960年の所得倍増計画発表
・長期雇用して、家と車のローンを組ませる
・製造業に大きく投資
といった割と単純な政策・施策を要素ごとに実施するだけでは、ある目的(「日本国として経済的に豊かになる」など)に対して効果が出ない可能性があります。
(もちろん、上記以外の政策・施策はたくさん実施されていますが、ざっくり捉えるためにそのほかは記載としては捨象しています。)
小難しい表現をすると、目的に対しての統合的なアプローチ(複雑系のなかのレバレッジポイントを識別してのアプローチ)にはならない可能性があります。
複雑なものを複雑なものとして捉えつつも、複雑性に埋もれないために、まず個人としては、
・情報の取捨選択リテラシーを上げる、考える力を上げる/鍛える
・ITツールやAIに、情報の取捨選択を助けてもらう
ということが有効だと考えています。
私がやっていることとしては、例えば下記があります。
・哲学の本を読んで、自分に無い視点を培ったり、抽象度が高くて本質的な問い(ときには自分にとって都合が悪いかもしれない問い)を立ててそれに答えて自分のメタ認知能力を上げる
・情報を取らない時間を作る、人間が作った情報から離れる時間を作るために瞑想をしたり散歩をする
・歴史の勉強をしてコンテキスト理解力を上げる
・忘れないほうが良いものとか思いついたアイデアとかを残すために、記憶装置としてスマホのメモアプリを使って脳みそのキャパシティを無駄に圧迫しないようにする
・FeedlyとかのRSSで自分でメディアキュレーションをして、見たい情報を効率的に取れるようにする
・LinkedInで自分にとってノイズになる情報発信についてはフォローを外す
とまあ色々カッコつけて書きましたが
・自分でやれる範囲でコントローラビリティを上げる
・統合的観点を持って具体的に行動するということが私の現時点での複雑性との付き合い方の方法論です。
もし情報に埋もれかけている方の参考になれば幸いです。😃
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?