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『チキン・ラン』ゲームデザイン備忘録~序章:ボードゲーム=題材+ゲーム性~

閲覧していただきありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンと申します。

今回は稚拙ながら、私が制作した自作ボードゲーム『チキン・ラン』のゲームデザインがどのようなプロセスを経て完成したのかについて文章にまとめていきます。
本来この記事は2020年春ゲームマーケットでの『チキン・ラン』販売がある程度成功した場合のみ掲載しようと考えていたのですが、諸事情により前倒しで掲載することになりました。

さて、本題に入る前に少しだけ自己紹介をしておきます。

・ボドゲ歴2年程度、制作歴1年半
・現在10数作品を制作・調整中
・ゲームマーケット出展は2020年春が初

つまり私は、制作歴はおろかプレイ歴すら短い完全な素人です。そんな素人がこのようなボドゲ制作の記事を書くこと自体おこがましいのですが、それでも皆様の参考になる点が少しでもあれば幸いだと思い恥を覚悟で書かせていただいている次第です。

今回は全部で6つの記事、1週間に1回のペースで更新していく予定です。

前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。

【目次】

★序章 ボードゲーム=題材+ゲーム性
一章 方針決定
二章 ルール作り
三章 テストプレイ
四章 テーマ決め
五章 まとめと感想

序章 ボードゲーム

=ゲーム性+題材


【この章のポイント】
・ゲーム性と題材、2つの要素の関連性が薄い
=一方の要素を完成させてから他方の要素を完成させればいい
・どちらの要素から完成させるかは自身がどちらの要素をより重視しているかによる
(重視する方を先に完成させる)
・着手する順番には、それぞれメリット、デメリットが存在する
・以降の記事は、ゲーム性を重視したいという制作者に読んでいただきたい

そもそも、ボードゲームとはいったい何なのでしょうか。それはこの章のタイトルの通り、ゲーム性と題材という二つの要素の複合体です。そして、ボードゲームは比較的この二つの要素の関連性が薄く、独立した要素と考えることができます。極端な話、ゲーム性さえあれば題材が無くても成立するし(オセロなどのアブストラクト系のゲームではよくある現象)逆に題材さえしっかりしていればゲーム性が乏しくても映画感覚で楽しむことができます。

そして要素同士の関連性が薄いということはすなわち、どちらかの要素を先に完成させてしまったとしてももう一つの要素はどうにでもなるということ……正確には二つの要素の関連性が薄い関係上、ゲーム性、題材両方を自身の好きなものにしようと制作難易度が格段に上がってしまうということです。その理由は、ゲーム性と題材を同時に考えるということは、その二つの要素を関連付けながら制作を行わなければならないからです。

この理由を詳しく解説すると長くなりそうなので割愛しますが、とにかく我々のような制作初心者は

ゲーム性を確立してから、それにあった題材を当て込む

または

題材を確立してから、それにあったゲームシステムを適用する

という手順で制作することが成功への近道なのです。

逆に言えば、ゲーム性と題材どちらかは自身の思い通りにならない可能性が高いということです。ということは当然より重視する要素から完成させるべきなのですが、完成させる順番によってそれぞれメリット、デメリットが存在します。

【ゲーム性から完成させるメリット】
・ゲームの競技性を向上させやすい
(題材による縛りがないため)
・比較的簡潔なルールを作成しやすい
(削りたいルールを躊躇なく削れるため)

【ゲーム性から完成させるデメリット】
・インパクトの強い作品を作りにくい
(題材がゲーム性に縛られるため)


【題材から完成させるメリット】
・手に取りやすい作品が完成しやすい
(ゲームを見る際は題材からになるため)
・大まかなルールを制作しやすい
(題材から着想を得やすいため)

【題材から完成させるデメリット】
・煩雑なルールになりやすい
(ゲーム性を担保できず、またルールを削りきれないため)

さらに、ゲーム性から完成させるのか題材から完成させるのかによってその制作プロセスは大きく異なってきます。ゴール地点が同じだとしてもスタート地点が違うならルートが変わってくるのと同じです。

そしてここから先の記事では『ゲーム性から完成させるプロセス』について書いていきます。もちろん制作の知識として損するような内容ではない(と自身では思っている)ので全ての制作者に読んでいただきたいとは思いますが、次からの記事はゲーム性を重視したゲームデザインを行いたい人向けになってきますのでご了承くださいますようお願いいたします。

本章はここまでとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました。拙い文章ではございますが次回も読んでいただけたら幸いです。

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