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『SYMBOL PALLET』ゲームデザイン備忘録~五章:テストプレイによる調整

 序章:”色”の特性の利用
 一章:一次元から二次元へ
 二章:自由と制限の狭間
 三章:メカニクスから考える勝利条件
 四章:数理的処理によるルール制定
★五章:テストプレイによる調整

閲覧ありがとうございます。ボドゲ工房Rのランブンです。
前回までは、発案から細かいルール制定の流れを記事にしてきました。今回は、実際に出来上がったルールをテストプレイによってどのように調整したのかについて書いていきます。
今回の内容はタイトルの通り”備忘録”の要素が強く、参考になる部分が少ないかもしれませんが、このシリーズも最終回ですので一読していただけたら嬉しく思います。
それでは本題に入ります。


一人でのテストプレイ(模擬プレイ)

SYMBOL PALLET』は一人でのテストプレイが行いやすい作品だった。そのため、テスターにテストプレイをしてもらう前に模擬プレイをかなりの回数行うことができた。しかし、メカニクスを試行錯誤している間に様々なルールが決定していったため、模擬プレイによる変更点はタイルの使用枚数(76枚から60枚)の一点のみであった。


テスターによるテストプレイ(インストあり)

テストプレイ会や身内でのテストでも、根本的なメカニクス変更は無かった。(テストプレイで出た意見と、その考察はこちら

ゲームに対する賛否は想定よりも多かった。個人的にはプレイ感が軽いと感じており、良くも悪くも意見が出にくいゲームであると考えていた。しかし、実際には「苦しすぎる」「もっと軽くした方がいいのでは?」という声も上がった。
これは、シンプルなゲーム特有のインタラクションと”色”の特性の複雑さが混在しているのが原因だと考えられる。
結果、今まで出展した作品の中でも最も賛否の割れる作品となった。

けれども、模擬プレイの時には気づけなかった点もいくつかあった。

・色の加減計算の矛盾
元のルールでは「最終的に導き出された色が単色かつ複数であった場合、その単色として扱って良い」としていた。例えば橙(赤/黄)と緑(青/黄)と紫(赤/青)を足した場合、(赤+青+黄)×2となり、黒×2となる。この場合、以前のルールではこれを黒として認めていた。けれども、
橙+緑+紫=黒
を認めるのであれば
黒-紫=橙+緑
を認めなければ、加減計算に整合性が取れなくなる。
よって、「最終的に導き出された色は単色かつ単数でなければならない」とし、上記の矛盾が発生しないようにした。

・「山札の一番上を常に公開する」ルールを削除
元のルールでは運の要素を減らすために「山札の一番上を常に公開(表向き)する」としていた。けれども、ゲームの進行的にはノイズである操作であったため、今回は不採用とした。
また、代わりのルールとして、山札からタイルを引くときの枚数を1枚から2枚へと変更した。このことにより、副次的ながら

・ゲームのテンポ感が向上
・数理的に整理された

というメリットも得られた。

【数理的に整理されたの説明】
「タイルは2枚引く」というルールにしたことにより初手の動きは
・タイルを3回置く(手札0枚)
・タイルを2枚引く、タイルを2回置く(手札3枚)
が基本となった。また手札が0枚となった前者の次の動きは
・タイルを4枚引く、タイルを1枚置く(手札3枚)
・タイルを2枚引く、タイルを2枚置く(手札0枚)
が基本となった。これにより行動パターンがシンプルになった。

・手札上限によるペナルティの変更
元のルールでは「手札の過剰タイルは次のプレイヤーに渡す」であったが、「捨て場に置く」に変更となった。(詳しくはこちら

以上が元々のルールから変更した点である。


最後に

今回はテストプレイについて記事にしました。少しでも皆様の参考にしていただけたら幸いに思います。

この度は「『SYMBOL PALLET』ゲームデザイン備忘録」を最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも制作活動を続けていきますので応援のほどよろしくお願いいたします。

『チキン・ラン』
多人数短時間(4~7人、20分)、自由な交渉とシンプルな数比べ
プレイ難易度★★★
キャッチコピーは「―破産か、罵倒か―」
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多人数軽量級(3~6人、10分)、リレー式大喜利ゲーム
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ゲームマーケット2021春
『Mole in the Cult』出展しました。
【ルール解説note URL】
https://note.com/ranbun_bdgcobor/n/nfb098775d4d6?magazine_key=m04f7ef0d353e
多人数中量級(4~8人、60分)、じっくり遊べる正体隠匿系ゲーム
プレイ難易度★★
キャッチコピーは「裏切者には粛清を」
【ボドゲーマ通販 URL】
https://bodoge.hoobby.net/games/mole-cult
ゲームマーケット2022春
『SYMBOL PALLET(シンボルパレット)』出展予定
【作品の概要note URL】
https://note.com/ranbun_bdgcobor/n/n0075ccbaec61
少人数中量級(2~4人、30分)、タイルを置いていく陣取り系ゲーム
プレイ難易度★★

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