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野球ものの名文・名セリフ(14)

「野球だって一打席で、それまでのミスが帳消しになることがあるだろ?」

「なんだよ。それ」

「普段の生活も同じってことだよ。たった一つのいい思い出が、すべての記憶を書き換えてくれることもあるんだよ」

本城雅人『ボールパークの魔法』

 ニューヨークで留学生活を送るダメ学生2人がニューヨーク・メッツでクラビー(選手の身の回りの世話をする人)として働く。身の回りの世話と言うにはあまりにも個人的かつ重要な頼み事をする選手も。彼らのために奮闘しながら、信頼を得ていくわけだが..。

 この人は『ノーバディノウズ』『嗤うエース』『スカウト・デイズ』など、殺伐とした舞台で人間臭さを描く作品が得意なようだが、本作はその中でも「人間臭さ」の部分を抽出したような感じで読みやすく、メジャーリーガーというものを身近に感じて見たい人にはお勧めしたい。


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