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2024ドラフト雑感

 補強ポイントがあまりにもハッキリしている埼玉西武は、競合を避けるみたいな報道もされたので、明大の宗山選手よりもより長打力のあるスラッガータイプに行くのか?と一時は思ったが、結局宗山1位入札だった。それは別に良いのだが、抽選を外した後も「ショート」にこだわったのが少し引っ掛かった。

 欲しいのは「即戦力」で、打てる選手ならどのポジションでも良かった筈だ。贔屓球団のドラフトに望むのは常に、どのポジションだろうが即戦力なら即戦力、育成するなら確実にモノにできる自信のある選手を指名して欲しいという事で、そういう選手であれば現有戦力とタイプが被っても問題ないと思っている。

 つまり具体的には、意中のA選手を抽選で外したからといって、「方針はA選手タイプ」だからと、A選手の劣化コピーのような選手に手を出さないで欲しいという事なのだ。

 もちろん実際に外れ1位として指名した石塚裕惺、交渉権を獲得した齋藤大翔両選手を「宗山の劣化コピー」などと言いたいのではなく、あくまでそういう姿勢で指名はしないで欲しいと思うわけだ。つまり意中の選手を外した時点で「方針」などいくらでもブレて良いのである。

 しかし西武は「ショート」にこだわった。私としては宗山を外した時点でスラッガータイプに速やかに方針転換して欲しかったが、今ドラフトでスラッガーと目される選手達を即戦力とは評価しなかった、という事だろうか。それならなぜ2位で渡部聖弥(大阪商業大)を指名したのだろうという疑問も残るのだが。

 源田の後釜という事を今から考えないといけない事はわかるが、スラッガーを獲得する事の方が優先だとは思っていたので、今回のドラフトはちょっと冷静すぎないか?という感想ではあった。もちろん指名選手がみなそれぞれ良い選手である事は承知している。

 東京ヤクルトが中村優斗投手(愛知工大)を一本釣りした事がファンに賞賛されているが、ヤクルトには正に「そういう指名」をして欲しいので私も拍手を送りたい。しかし「そういう指名」をするには、その年のドラフトに「そういう選手」がいて、かつ他球団と指名が重複してはいけない。つまり運によるところが大きく、良かったねという外ない。中村投手は大きな怪我をした事がないというのが魅力と言われているが、ヤクルトに入ると怪我をするので、大きな怪我歴がないという事実に安堵する事なくスタッフがしっかり管理してほしい。

 モイセエフ・ニキータ(豊川高)という選手はとても魅力的だと思ったが、ヤクルトが指名するイメージは全然なかった。私が「魅力」を感じた選手はまず贔屓チーム以外に獲られるからだと思う。なので魅力を感じた選手が贔屓チームに入るというレアケースとして今年のドラフトは記憶されるだろう。私が魅力を感じて他所に行った選手は活躍できず終わるケースが多いのだが、この場合はどうなるだろう。そんな観点から注目している。登録名は「ニキータ」が良い。登場曲は是非、映画『ニキータ』から"Rico's Gang Suicide"を。あの映画好きだったんです。

 変則投法マニアとしては荘司宏太投手(セガサミー)の投球フォームには痺れた。あれだけ極端に真上から投げ下ろすスタイルにどういう経緯でたどり着いたのだろう。昔、日ハムに田中幸雄という、同時期にショートで活躍していた強打者と同姓同名の投手がいて、やはり真上から投げ下ろす独特のフォームだったが、もっと背が高く、テークバックが小さかった。荘司のようなタイプはあまり記憶にない。早く一軍で観たいところ。

 雑感と言えば、新潟アルビレックスやくふうハヤテの選手が指名された事とか、清原正吾が指名されなかった事にも思うところがあるがまたいずれ。

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