こんにちは、世界 アート合宿in逗子
2023年のゴールデンウィークに逗子へアート合宿に行ってきました。
その場で感じたこと。
その前後の自分。
場を共にし、絵を描くことでたくさんのものを受け取りました。
Integration Journeyに沿って記していきます。
🌕日常
アートに呼ばれて
碧ちゃんとまーさんのnoteを読んでから、アート合宿に魅かれていた。
アートにアンテナが立ちJAMに参加した。
第7期の募集がかかっているので、興味の湧いた方はぜひ!
その過程で見えてきたのは、自由になりたがっているわたし。
何か大きなものが潜んでいる予感がした。
何だこれ。
よくわからなかった。
ただ、気づいてしまった以上、無いものにはできなかった。
得体の知れない何かがいる
あなたは誰?
いつからそこに居る?
何をしている?
なぜ生まれた?
いろんな問いが湧いてきた。
その存在に気付いたとき、好奇心が湧いた。
途中から、不快になった。
今回のアート合宿開催を知った時、申し込みを躊躇するわたしがいた。
noteで知った時と明らかに質感が違った。
なんだかよくわからないけど不快が重なっていた。
何もしたくないはずなのに、予定を入れている。
何をしてるんだろう。
日常のスピード感から逃げ出したかった。
描きたい気持ちはあるのに、エネルギーが足りない気がする。
何もしたくない。
ひとりで閉じこもっていたい。
ひとと関わると消耗する。
そんなことを感じていた。
決断できないでいるうちに、申し込み期限が過ぎた。
参加できないことを自覚して、無理矢理納得させて、それでも心の底には引っかかりが残っていた。
そんな中でも、描くことは楽しかった。
JAMでただただ描くこと、創ることを楽しんでいるわたしがいた。
描きたいんだなぁ。
その気持ちの居場所をちゃんと作ってあげようと思った。
自由になりたがっているわたしが大きくなって、このままでは自分がわからなくなる気がした。
今のわたしのままでは過ごせない。
そう自覚したとき、自然とすとさんに連絡していた。
ご厚意で合流させて頂けることになった。
すとさん本当にありがとう。
🌖旅立ち
はじまり
1日目は仕事があり、遅れて2日目から参加した。
逗子駅に降り立ち、タクシーに乗り込む。
道中はただ、景色を眺めていた。
不思議な感覚を抱いていた。
タクシーを降りたら、縁側で手を振るさっちゃんとひでみんが目に着いた。
途中から合流したこともあり、緊張していた。
部屋に入ると温かくみんなが迎えてくれた。
部屋には模造紙が広げてあった。
身支度を整えて座った。
チェックイン
何がはじまるのだろう。
どんな場になるのだろう。
どきどきとわくわくが混在していた。
いまの気持ちを描く。
湖から色が溢れ出した。
じーっと見つめていると湖の色がどんどん黒く濁っていった。
混濁の先になにがある?
この時すでに闇を感じていたのかもしれない。
綺麗な絵が描きたいなぁと思いながら、雑にしか描けない自分を残念がるわたしがいた。
魂の旅路
円形のキャンバスに描くのは魂。
魂の色…
考えたこともなかった。
思いつくままに色を乗せていく。
中央は白、そこから円形に。
海底から空を眺めているみたい。
Integration Journeyのよう。
決して明るいわけじゃないけど光(黄色)や彩(ピンク)を纏っていたい。
そんな気持ち。
それを模造紙に置いて、魂の旅路を描く。
みんなの魂はとても綺麗。
ほらまた、ひとと比べているわたしがいる。
もっと綺麗に描きたいのに。
なんかなーって思っている。
なんのためにここに来たの?
綺麗に描くためじゃないでしょう?
でも…
自分だけ劣っている。
そんなことをぼんやりと考えていた。
模造紙に描く。
最初は細くしか描けなかったけれど、徐々に慣れて太い筆で色を混ぜて大きく描くのが楽しかった。
魂への介入。
ひとの魂に色を乗せていく。
手が震えた。
こんなに綺麗な魂に色を加えていいのか。
躊躇した。
それでも、みんながいるから。
お邪魔しますと心で唱えて。
勇気をもらって色を乗せた。
今まで味わったことのない気持ちがそこにあった。
筆先に神経を尖らせて。
自分の魂に使った色を乗せる。
こころに触れた気がした。
美しいものを汚すようにも思えた。
でも、一筆を入れた後は少しだけ軽くなった。
ひとが自分の魂に色を乗せているのを見るのが嬉しかった。
大切に関わってくれていることがわかるから。
不思議なことに、それぞれの色の特徴がそれぞれの魂に移っていた。
それぞれ違う魂なのに、なんとなく統一感のようなものが見えて不思議だった。
調和という言葉が浮かんだ。
表向きのわたし
いざ、キャンバスに向かう。
何を描こうか。
周りの人たちが気になる。
それぞれ綺麗に描いているようにみえる。
描きたい色を乗せてみよう。
あまり迷いなく、好きな色だけで好きなように描いた。
🌗拒絶
自由になりたい
さて、次は何を描こうか。
何も浮かばない。
すとさんに声をかけた。
「もっと自由に描きたいです」
2つの方法のお誘いを受けて、ひとつを試すことにした。
円形に置かれている絵の具の中心で目を閉じてぐるぐるして、5色手に取る。
自分では絶対に選ばなさそうな色と出会う。
目を閉じて、気の向くままに筆を動かした。
目を開けて少し確認して、また目を閉じて、色を拾って描くことを繰り返した。
思っても見ない色ができて面白かった。
思いの外綺麗かも?と思った矢先。
黒とグレーに侵食された。
どうするんだここから
愕然とした。
その日はそれ以上筆を進められなかった。
美味しい夕食をいただいて、縁側で満月を見ながらワインを飲んだ。
たかがきさんと話をして、帰り際に描いた絵をプレゼントしてくださった。
嬉しかった。
いまのわたしに必要な時間だった。
🌘出会いと試練
芽生え
翌朝、日の光が心地よくて、縁側でドローイングをした。
チェックイン
とってもどきどきしていた。
得体の知れない何かが身体の中にある。
はっきりと自覚した。
怖かった。
でも、場に出したら少しだけ落ち着いた。
中央に自分がいて、その周りを光が囲んでいる。
自然に包まれているいまのイメージ。
温かな光の周りには自然が広がっている。
でも、その周りには闇が広がっている。
今日はその闇をみていくのだろうか。
そんなことを思っていた。
予感
昨日の絵をぼんやりと眺める。
続きに取り組む気になれなくて、画用紙に描くことにした。
とがみんやさっちゃんが描く様子を眺めていたら円を描きたくなった。
色は目を閉じて選んだ。
円に色を乗せるその過程で、わたしは感情と向き合っていた。
赤は怒りの感情。
オレンジはわたし自身。
はじめはオレンジ、次に赤。
鉛筆の線に沿って慎重に乗せていく。
線からはみ出すことを許した。
描きたいサイズ感のまま描いていく。
赤が広がっていく。
オレンジと接しそうになる。
侵食される。
そう感じると身が強張った。
苦しくて呼吸が浅くなる。
灯火
少し休んだ後、違う絵を描いた。
円の絵で選んだ赤と紫を使った。
炎のような血液の流れような。
この燃えるエネルギーはどこからくるのか。
不思議だった。
これがわたしのなかにあるとは到底思えなかった。
わたしに宿るエネルギーの灯火に気づいたときだった。
今まで使っていない色を使っていると、みんなが見に来てくれた。
この絵すきだなぁ。
そう言われて嬉しくなった。
灯火との出会いの戸惑いが、少しだけ薄れた。
重なり合うこと
一息ついて円の絵に戻った。
灯火を傍らに感じながら。
オレンジの上に赤が重なった。
ひどく苦しくなった。
オレンジを強めたくて。
薄めた色では弱くて。
濃いオレンジを乗せた。
オレンジを赤に重ねてみた。
少しの勇気が要ったけど、一度乗せてしまえば自由だった。
ただただ、描くことにエネルギーが必要だった。
見たくない世界
また休んで、目を閉じて描いた絵と再会する。
筆だと何か違う気がして、ペインティングナイフを使ってみた。
色がその時点に留まる。
濃くはなる、けど、広がらない。
何か違うみたい。
もうこの絵を見ていたくなくなった。
ふと塗りつぶしたくなって、水をたっぷりと含ませた筆でなぞってみたら、世界が真っ赤に染まった。
ああ、わたしがみている世界だ。
不意にそう感じた。
これ以上この世界を感じていたくなかった。
迷路のなかで
違う絵に取り掛かった。
大きなキャンバス。
わたしは何が描きたいのだろう。
わからなくなった。
描くことを楽しみに来たはずなのに、全然楽しくない。
思考が働いていることに気付いた。
ただただ、絵を感じたい。
純粋なその想いがどこかへ行き、自分なりに満足のできる『いいかんじの絵』を描くことにエネルギーを割こうとしていた。
思いつくままに、好きな色を乗せてみた。
白とピンクを使って。
ローラーを用いて。
ただただ、思いつくままに描いてみた。
意図しないグラデーションが綺麗で、夢中で色を重ねた。
楽しくなった。
赤の世界を漂う
大きなキャンバスの下地を塗り終えた後、赤のキャンバスに戻った。
少しだけ、この世界を直視できる気がした。
思ったより赤が濃くない。
最初に選んだ色以外を載せることを許す。
一筆一筆にエネルギーが必要だった。
それでも、世界に留まっていられた。
右側に虹のようなものを描いた。
鮮やかな色だけでは物足りなくて、暗い色を重ねた。
なんだこれ。
「洞窟みたいだね」とがみんが言った。
そうだなぁ…トンネルみたい。
先が続いていそうだと思った。
時折、みんなが様子を見に来てくれるのも嬉しかった。
ああ、ひとりじゃない。
安心感がエネルギーを生んだ。
トンネルの先にあるものはなんだろう。
まだはっきりとは見えない。
でも光であってほしい。
そんな願いを込めて、パールとシルバーを重ねた。
パワーの片鱗
絵がキャンバスに収まっていないからと、すとさんがキャンバスを2枚渡してくれた。
虹のような色の波。
太い平筆で描きたくなった。
水で薄めた色はつまらなくなった。
まだ収まってないよとすとさんが笑っている。
パワーはみ出してるねと楽しそうにひでみんが微笑んだ。
3枚繋げたけれどまだ足りない。
サイズが合わないのでそのまま描き続けた。
気の向くままに色を重ねた。
波なのか、なんなのか。
欲しい色を探しながら重ねた。
そのときはただ、色を感じているだけで。
いま改めて見ると、色のリボンが踊っているみたい。
左のキャンバスは戯れていて。
真ん中ははじまり、もしくはおわり。
右には虹がかかる。
果てしなく広がる色彩のダンス。
暗い色も、綺麗な色も、目立つ色も控えめな色も。
全部全部楽しそう。
🌒成長
溢れ出るエネルギーと共に
大きなキャンバスに向かう。
先ほどのキャンバスを描きながら浮かんでいたこと。
色を全部使いたい。
ここにある色全部使う
そう宣言して塗り始めた。
丁寧にバランスを考えて描いていく。
ありきたりなものがつまらなくなった頃、ふとローラーが目についた。
ローラーで色を2色拾いながら描いていく。
夢中で重ねていく。
とても楽しかった。
ときには広げ。
ときには重ね。
変化をつけていくことが楽しかった。
無我夢中で描いていた。
できた!
口をついて出た言葉。
達成感と幸福感に包まれる。
溢れんばかりのエネルギーが、たしかにそこにあった。
このエネルギーはどこにいた?
エネルギーとの出会い
おどろくほどに視界がクリアになった 。
こんなにも世界は鮮やかだったのか。
心地良く風が吹き、日差しが温かい 。
樹々の緑は美しく、生き生きとしている。
ヒトはただ自然の中にいる。
自然はたくさんのエネルギーを放っている。
そんなあたりまえに気付いたとき エネルギーが満ちていった。
🌔帰還
言葉にすること
あの感覚を、空気を、
全て記すことは不可能で。
全て記憶しておくこともできなくて。
日々薄れてゆくことが寂しくて。
言葉にしても足りなくて。
だから、文章にできなかった。
ずっと、ずっと、
その世界に漂っていたかった。
温かな、柔らかな、
その空気を感じていたかった。
でも、それでいい。
全て記しておくことはできなくても。
あの日、あの時、そこにいた。
たしかに、時が流れていた。
ありのままの自分
あのままの自分でいたい。
そう思いながら、心のどこかで不可能だと思っていた 。
”ありのままの自分”だと思っていたものが、いつしか”こうありたい自分”になっていた。
不思議な体験をした。
共に過ごす中で、こんなにも気を遣わないことが あるのかと思うくらい自然体でいた。
ありのままの自分がそこにいた 。
描きたいときに描く
お散歩に行く
お昼寝をする
お腹が空いたらお菓子をたべる
それぞれが思いのままに、ありのままに過ごしていた。
とても心地良かった。
居心地が良すぎて、終わりを終わりと感じたくなかった。
とても、幸せな時間だった。
これ以上の心地良さがあるのだろうか。
ただただ、その余韻に浸っていたかった。
寂しいに浸り続けていたら、満たされた気持ちになった。
🌕日常
わたしが見ていた世界
わたしは膜の中から世界を見ていた。
少し弾力のある厚い膜。
その中は安全でわたしは守られている。
その中で赤ちゃんのようにちっちゃくなっていた。
膜から外の世界を見上げると、たくさんの色が降っている。
レーザーのようなものもあれば、槍のようなものもある。
雨の雫ようなものもあれば、霰のようなものもある。
その膜の中からわたしは世界を眺めていた。
膜の中で、降ってくるものをただただ恐れていた。
得体の知れないものたちが怖かった。
しっかりと外を見ていないと、膜を保てなかった。
腰の形成にエネルギーを使っていた 。
それらに慣れてきた頃、中にいることが退屈になった。
もっと世界をよく見たい
そう思うようになった。
不意に、膜のレーザーに触れたくなった。
ちょっと片手出してみようか
そんな思いが湧いた。
気づいたら少し膜が薄くなっていた。
降ってくるものがよく見える。
こんなにも色鮮やかだったのか。
その頃から少しずつ、世界の変え方が変化していた。
感情と向き合う
ひとの影の感情に触れることが苦手だった。
特に、怒りが苦手だった。
自分が怒られていなくても、その場に怒っているひとがいるだけで身が強張った。
そのひとに、その場の空気に、飲み込まれる。
自分が消えていく感覚があった。
怒りはひとを傷つけるだけなのになぜ怒る?
なぜそれを他者に向ける?
わからなかった。
不要なものだと思っていた。
でも、生まれた理由がある。
感情の奥には願いがある。
わたしにそれが生まれにくかったのは、影の感情を味わい切っていなかったからかもしれない。
悲しい、寂しい、悔しい…
これら影の感情をマイルドにしていたことに気づいた。
味わい切ったつもりで、味わい切れていなかった。
ひとに伝えるときも、相手に渡しても当たり障りないと思うサイズ感で渡していた。
そのサイズはわたしが捉えたサイズで 、一方的に決めつけていた。
自分が捉えたサイズ以上変化しない 。
かつてのわたしはそれでひととの距離感や関係性をコントロールしていた。
ところが、コントロールできない出来事に出会うようになった。
どうなるかわからない自分。
不安定は嫌だった。
そんな自分も出してみると、案外大丈夫だったり、相手が嬉しそうだったりする。
そんなことに気づき始めていた頃。
アート合宿でコントロールを必要としない空間に出会った。
円の絵を通して、わたしは感情と向き合っていた。
赤の円は怒りのエネルギー。
怒りに飲み込まれると思っていたけれど、オレンジのわたしが居続けられた。
今のわたしには、それだけで十分だった。
きっと、ひとりではそこに留まり切れなかった。
みんなからたくさんのエネルギーをもらった。
共に居てくれて、ありがとう。
これからの世界
自宅で自分の絵を眺める。
不思議な気持ちだった。
まだ自分のエネルギーの総量がわからない。
ほんとうに自分の中にあるのかも信じきれない。
怖くなった。
どのくらいエネルギーがあるのかわからない 。
それの総量を知って、果たしてそれをコントロールできるのか 。
どう活用していくのか 。
知りたい気持ちと知りたくない気持ちを行ったり来たりしていた。
ある日、お複歩をしながら、ふと木々を見上げた
暖かな陽射しを浴びて、両手を広げて深呼吸をした。
自然とエネルギーが満ちてきた。
エネルギーは自然から受け取っていることに気付いた。
自然のエネルギーが源だとわかったら、自分はただそれを受け取っているだけで、エネルギーが膨大なことにも納得がいった。
やっと、どのくらい受け取れるのか知りたくなった。
画材店さんに50号のキャンバスを見に行った 。
想像よりも大きくて圧倒された 。
でも、描いてみたい。
ワクワクした。
50号の画布を注文した。
怖いと思ったのはなぜか 。
自分がエネルギーをコントロールできないかもしれないと思ったから。
エネルギーに当てられて暴走して周囲に迷惑をかけるんじゃないかと思ったから。
でも、自然から受け取るものなら、自分でその量を調節できるんじゃないか?
そんなことを思った。
膨大過ぎるこのエネルギーをどう使っていこうか。
ひとりでは有り余るから、ひとに渡したいと思う。
どのように?
それは、これからゆっくりと探していけばいい。
きっと、必要な時に必要なことが起こるから。
自然に身を任せて生きていきたい。
鮮やかな、この世界の中で。
共に居てくれて、ありがとう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?