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【レポート】4/27 地域の人事部カンファレンス2024 in 静岡岐阜(DAY2)
4月26,27日の2日間、地域人事部アライアンスネットワーク主催で「地域の人事部カンファレンス2024」を開催しました。本レポートではDAY2岐阜の様子をご紹介します。
DAY1はこちらからご覧ください
DAY2は岐阜県岐阜市を会場に移してカンファレンスを開催しました。
静岡から新幹線、在来線を乗り継ぎ岐阜へ。岐阜会場のホストは岐阜を拠点に東海地方で実践型インターンシップのコーディネートや企業の人事支援、地域の人事部の運営を行っているNPO法人G-netの皆さまに担当いただきました。
会場はうかいミュージアム。日本家屋の美しい街並みを抜け、1300年続く伝統文化「鵜飼い」で有名な長良川の横にある風光明媚な場所でした。
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はじめに
G-net田中さんよりカンファレンスの趣旨について紹介いただき、参加者同士でチェックイン。今回は関西・東海地域だけでなく関東や東北から参加いただいた方もいました。
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G-net代表理事・南田さんより
スタートはG-net代表理事の南田さんより、「”人を集める”から”人が集まる”まちへ」と題し、G-netのこれまでの取り組みと地域の人事部についての講演。
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学生団体からはじまったG-net、「ミギウデ」「ホンキ系インターンシップ」「しごトリップ」「東海ヒトシゴト図鑑」など、積み重ねてきた数々の学生と企業を繋ぎ、地域の挑戦の土壌を耕してきた実践の変遷は大変参考になります。
G-netは地域の人事部という言葉が誕生する前から長年、人と地域を結びつけ育む活動に取り組まれてきました。これまでの活動を改めて振り返りながら各事業の位置づけをご説明いただきました。
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若者が地域にただ就職してもらえればそれで終わりではない、ましてや持続可能になる訳がありません。
就職し社会人になった若者や地域企業自体も挑戦を続け、次なる学生がその挑戦の連鎖に入り変わっていく生態系のようなイメージを南田さんは自然界の水の循環に例え話されていたのが印象的でした。
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人が集まり、域内で循環していく持続可能なエコシステム=地域の人事部は、一つのあるべき姿かもしれません。
釜めしランチミーティング
お昼休みは会場から歩いてすぐの場所にある釜めし屋・美乃壱へ
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長良川を見ながら、名物である釜めしをいただきました。
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参加者、事務局、登壇者の全員で同じ釜の飯を食べました。午前の感想や情報交換をしながら親睦を深めました。釜めし、とても美味しかったです!
地域企業の代表が語る「挑戦の歩みと成果」
昼休憩を挟み、午後からはG-netがこれまで事業を介して伴走支援してこられたという地域企業2社の代表・船橋株式会社の舟橋さん、有限会社大橋量器の大橋さんが登壇されました。
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船橋株式会社
有限会社大橋量器
お二人からはそれぞれ会社と事業紹介、インターンや兼業人材を活用するに至った当時の状況と経緯、取り組み内容とその成果についてご発表いただきました。
創業大正10年、業務用カッパやレインコートを製造する老舗企業の船橋では、「世界一安全でかわいいレインコート」の開発などをインターンともに行ってきました。こうした実績をもとに組織を変化させ成長してきたプロセスは、これから挑む企業においても励みになります。
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1950年創業、日本に古くからある伝統の道具「升」を製造する大橋量器。時代の変化を受け、升の需要も大きく減っていくなかで試行錯誤をし船橋同様にインターンや兼業人材を迎え入れます。これが自社の成長の機会となり、意欲的な人材の採用にも繋がったそうです。
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その時々の経営課題に応じて多様な人材を迎え入れ、組織変革やPR、異業種とのコラボ、商品企画、営業、クラウドファンディングへの挑戦など数々の打ち手を具体的な数字の変化と共にお話しいただきました。
今回G-netの皆さんからは「G-netのコーディネートと伴走支援について話してほしい」というオーダーでお二人に依頼されたと聞きましたが、コーディネート団体との信頼関係を感じさせるやり取りがなされ、感銘を受けました。
2社とも目覚ましい成果を出されており驚かされましたが、これもパートナーシップがなせるものではないでしょうか。
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取組みを始めた頃は、合同企業説明会でもブースに着席がないような状態だったそうですが、挑戦を続けていくなかで自社の魅せ方や伝え方に磨きがかかり、以降は毎年採用を成功させるまでになったそう。老舗企業だからこそ挑戦できること、生み出せる価値があります。
今やメディアにも取り上げられるようになった2社の姿は、まさにローカルベンチャー(挑戦を続ける地域企業)であり、学生が挑戦や成長機会を求めて入社する循環がまさに実現しているように感じました。
地域企業で活躍するミギウデ人材が本音を語る
続いて、G-netの様々な取り組みに参加してきた元学生の体験談として、東海地方の大学から岐阜・愛知に就職して活躍している若手社員が登壇してのトークセッション。
飛騨五木の浅野さん、ヒダカラの伊東さん、船橋の大谷さんの3名に登壇いただきました。
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G-netの田中勲さんがモデレーターとなり、テーマに対して一人ずつ答えていく形で進行していきます。
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質問項目は以下の通りです
①なぜあえて地域中小企業を選んだのか?
②実際に入社して楽しいと感じていることは?
③1年目を一言で表すと?
④これが中小企業って思うことを教えてください
⑤キャリアで不安に感じること
⑥これからどんな挑戦をしたいと思っているのか
3人のコメントをそれぞれ紹介します。
●浅野さん
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①自分のわがままな働き方を実現できる場所だった
入社して最初の仕事は自分の役割・肩書は自分で決める→デザインプロデューサーと名乗った。デザインの学校でに決まっていたから、それを活かしたい、他の会社を見ずにここと決めた。入社してくる社員も自分のやりたいことを決めて入ってもらうことになる。
②100%自分のアイデアが試せること!
上司が異動し、急に店舗管理の担当をすることに。大変だったけど実験的にやることが簡単になった!
③無我夢中
プロジェクトベースでは色んなことをやったと覚えているが、時間は意識していなかった。(今思うと)記憶がないくらい色んなことを体験できた。
④先輩どこ?
社員数70人、同じ拠点に20人。みんなバラバラだけど先輩たちは本当に働いているの?相談誰にしたらいいのかわからないときも…
④柔軟
入社して2日目、コロナかかってしまって出勤できなくなることに。そうしたら有給を使っていいよという話となり、いきなりリモートワークで対応することに。そのときの社員の状況に対して柔軟に新しい制度をつくっていて、素晴らしいと感じた!
④新入社員が毎年いるとは限らない
同じ事業に入社後に数年入って来なかった。
⑤責任感が大きい
自分が責任者。でも店舗でもしもがあったときはどうしようという不安も。でもそれでも責任感が自分を動かしている。
⑥地域に愛される
今後は地域に愛されるお店をつくっていきたい!
●伊東さん
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①中小企業だと入ったあとにできることがクリア
大手だと何ができるか見えない。どこに配属されるかはガチャだったりする。中小企業は社長も肯定してくれた!
②言えばやらせてもらえる、刺激の量が多い
以前、「半分青い、」をモチーフにしたカラー升をつくりたいと思い、半分青い商品をつくり提案したら作らせてもらえた。それがTVやメディアに取り上げられ、わりと売れたことがあった。自分がやりたいことをやるために入社したから、それができたのがよかった。入社半年で大企業の人を兼業を受け入れるようなプロジェクトにも関われた、質の高い刺激を受けられたと思う。
③妻にも無我夢中
入社半年で同僚と今の妻とのお付き合いがはじまった。隠していたけど社長に結婚報告したら知ってた!?
伝統産業のなかで同年代の若者がいることはすごい。楽しく働ける環境だと思う。
④お手本が乏しい
ノウハウが蓄積されていないことがある。お手本とする人、理想とする人をどう見つけるかが難しい。
⑤(会社は)社長のもの
中小企業は経営者の影響が色濃く出てくる。良くも悪くも。
⑥自分×企業で地域へ
その地域に溶け込むときに、地域に根差した活動をする際に地域企業の社員だと入り込みやすい。組織の肩書や役割ではなく、一人の人間としても認められた。
⑥メーカーテラーになる
ストーリーテラーのように、メーカーの技術の価値を伝えられる挑戦をしていきたい。大橋量器でプロダクトを通して色んな挑戦していたがその経験が活きている。大橋量器でこれから提案して複業させてもらう。実家で神楽やっているのでそこにコミットできるように準備をしたい。一社でも中小企業の技術を価値に変えていきたい。
●大谷さん
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①中小企業はチャンスとステージが豊富
入社してもその機会を掴むのは大手だと同期が多く、競争率が高くて大変。中小企業は夢がたくさんある会社。
②自分が会社を変えていっている実感をもてること
たとえば会議のやり方、就業規則など。自分が関わることで会社が変わってきている。会社がよくなっていく実感を持てている。色々とやれる人にとってはいい環境。
③入社して3日目で部下が出来た
内定し10か月バイトしていた。実質入社0年目のようなもの。入社1年目はいきなり2年目のような状況。そこでインターンの受け入れを担当することに。当初戸惑っていたが、振り返ると自分がやるしかないと思った。
④ミギウデ業務VS本業
もともとは商品の検品担当、だけど色んな業務に関わる機会も。もともとの業務をどうするの?カッパ屋の本業とミギウデ業務、どうするかは悩んだ。
④お昼ご飯はみんなおすそ分けしてくれる
自分はこだわりなくコンビニで済まそうとしてるが、優しい社員がご飯、漬物、おかずをみんなどんどん分けてくれた!
⑤3年たてば正解
最初は入社したことをすごく同級生に言われた。新卒カード捨てたのか?と。でもメディアに出てはじめて、その反応が変わってきた。他社に入った新人は3年経つとそこで辞めたり、迷い始めた。同級生からも後々その時の選択の意味を理解してもらえるようになった。
⑤逆に最先端
世の中で起きていることが全部企業で起こっている。たとえば83歳の社員がいたり、育休産休を取る人が出てきてどう対応したり、地域や中小企業の方が日本で起こっていることを現場で体験できている
⑥シェアされるミギウデに
7年ですごいいい経験できている、飽きっぽくて色んなことやりたい人にはピッタリ。「大谷さんみたいな人ぜひ欲しいんだよね」と他の経営者に言われる。その地域で(他社で兼業するなど)シェアされるミギウデになりたい!
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地域企業に就職し自らのキャリアの主体的に切り拓く若者たちのリアル...3人が入社することで企業に与えるインパクトは大きいですが、同時に彼らを活かす環境を企業側をいかに用意できるかも重要であると感じました。
グループディスカッション
最後に1日の学びのアウトプットとしてうグループディスカッションを行いました。
どんな地域の人事部ができると良いかについて、参加者同士で意見交換をしながらアイディアをまとめていきます。
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懇親会:おせん
会場を移動し懇親会へ。岐阜のツワモノな皆さん御用達?のお店・おせんへ。参加者、登壇者が混ざり合い話は深まっていきます。
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参加者、そしてホストとして運営協力いただいたG-netと登壇者の皆さま、一日ありがとうございました。
来年もアライアンスネットワーク主催のカンファレンスは開催予定ですので、ご期待ください!!
お知らせ:2024年7月5日「地域の人事部全国フォーラムin塩尻」開催
全国の地域の人事部関係者が集まり、学び合うイベントが7月5日に開催されます。
アライアンスメンバーのNPO法人MEGURU、カンファレンスの岐阜ホストであるNPO法人G-netの皆さんが主催です。地域人事部アライアンスネットワークも協力し、発起人の山本もパネリストとして登壇予定です。
今回カンファレンスの予定が合わず参加できなかった方、ぜひこの機会にご参加ください。
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地域の人事部全国フォーラム in塩尻/長野~地域ではたらく、生きる、すこやかに~
地域ぐるみで人材獲得・育成・活躍に挑む「地域の人事部」。その勢いは全国に広がり、日本各地で地域の人事部事業が立ち上がろうとしています。
地域・社会・経営課題の根本は「人」。その「人」に焦点を当て、多様な機関が連携し、地域の人材戦略の立案と実行を担っていきます。
本企画では、全国で多様な団体が進める地域の人事部の現状を理解するとともに、これからの社会における「地域の人事部」がもつインパクトを、全国の仲間とともに切り拓き、明らかにする一日を創り出したいと考えています。