【自作小説】クロッカスの舞う夜に。#5
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デートらしい夜を過ごした昨日から一夜が明け、何も変わらない休日の土曜。次回彼と会うまでにしておきたい事が二つあった。一つは彼が好きだと言っていたように髪を短くすること。二つ目は自分でも好きな香水を見つけること。香水に関しては、彼と全く同じ、金木犀の香りのするものにすると明からさまに寄せにいってしまっているので、それに近しい香りを探そうと思っている。今日はまず髪を切ることにした。東京の有名スタイリストに施術してもらっている訳ではないので、予約が数ヶ月後先まで埋まっている