私が小学5年生の頃、半年くらいの短い期間住んでいた家がある。これは母と3つ上の姉、そして私自身がその家で体験した怖い話だ。 母の友人の紹介で秋田県の県南の町に引っ越すことになった。その家は、2階建ての一軒家で元は畳屋だったそうだ。 1階は3つの和室と台所、トイレとお風呂場、そして大きな倉庫と小さな物置部屋があった。2階は3部屋あり、1部屋だけ洋室となっていて、母と姉、私の3人暮らしには広すぎるくらいの家だった。 とても古い木造の家で、傾いているのか2階の部屋にビー玉を置
この話は前回の[実話怪談 いびき]の体験者Mさんが、高校最後の年に体験した話だ。 Mさんの実家の裏手には近所の人しか利用者がいないんじゃないかと思うような古くて小さな温水プールがあった。 Mさんは当時、ちょっと遅めの思春期を迎えていて、出来心から手を出したタバコを、親に隠れて吸い始めた。 温水プールはMさんの家の裏庭からだと数歩でたどり着く距離にあった。 家と温水プールの建物の間は1メートル位の高さの塀で隔たれていて、温水プールの建物と塀の距離も狭く、道路からは
「あるよ。この話はさぁ俺が高校生の時に体験した怖い話なんだけどさ」 知り合いのMさんに何か怖い話はないかと尋ねたところMさんは当時を思い出しながら話し始めた。 Mさんは高校生の時、近所の酒屋でバイトをしていたそうだ。 木造の築100年はありそうな古い建物を酒屋として使っていた。古いが立派な佇まいの2階建てで、1階はお店となっていて2階は倉庫として酒や仕事で使う色んなものが置かれていた。 「そこの2階がなんか怖くてさ…行きたくなかったんだよな」 Mさんはバイト先の店
今から30年ほど前、Tさんが小学生の頃に体験した話。 その日は朝から大粒の雪が降り続き外は白銀の世界に様変わりしていた。 しんしんと雪が降る静かな夜、高台の家の二階にある子供部屋で、Tさんが布団に身を包み寝ていると、遠くの方からカランコロンと下駄の音が聞こえてきて目が覚めた。 その足音はどんどん近づいてくる。枕元にある目覚まし時計に目をやると23時をまわっていたので、Tさんは「こんな時間に誰が歩いてるんだろう?」と訝しく思った。 Tさんは気になったので、カーテンの隙間
これはS子が深夜に体験した怖い話。 その日は夫と二人で夜遅くまで、リビングでテレビを観たり他愛もない話をしてのんびりと過ごしていた。 「あら〜この人一気に老け込んじゃったわね」 テレビ画面の向こうでは大御所タレントが今話題のグルメを紹介しているところだ。 「お〜そう言われれば老けたな。ちょっと痩せたか?」 夫はスルメをつまみに日本酒をちびちびやりながらそう言った。 S子がふと時計を見ると午前二時を回るところだった。 「もうこんな時間。そろそろ寝ましょうか」
らむにゃんこが小学生の時に体験した怖い話を漫画にしてみました。 下手っぴですが一生懸命当時の状況を絵にしてみました。 お母さんに新しい花柄のワンピースを買ってもらってすごく嬉しくて、スキップなんかしながらるんるんで近所を歩いていたんです。 そしたら民家の塀の角から急にシワシワな老婆のような手がぶら〜んといきなり出てきてびっくりして猛ダッシュで逃げました。 だけどらむにゃんこは思ったんです。 「幽霊見れるチャンスじゃん!振り返って確認しよう」 今思い返しても我ながら
S子さんがまだ20代前半の頃に体験した怖い話である。 当時S子さんは石川県のとある場所で寮に住み込みで宴会コンパニオンの仕事をしていた。 着物を着て旅館や料亭などでお客さんにお酒を注いだり空いたお皿を片付けたり、おもてなしをする仕事だ。 S子さんは会社が用意してくれたアパートに同僚の女性と2人で一緒に暮らしていた。 1階に3部屋、2階に3部屋の全部で6部屋ある古い木造アパートでS子さんは1階の左端の部屋に住んでいた。 仕事は夕方の4時頃からはじまり夜の10時か11
A子さんは小さな建設会社の社長をしている夫と2人の子供と一緒に、岩手県のとある温泉地で暮らしている。 A子さんは知り合いの紹介で借りた、古いが縁側もある大きな民家に住んでいた。こんな感じの間取りだ。 A子さんの夫は社長ということもあり、事務作業や次の日の準備などがあるため、帰るのは夜11時過ぎになることが多かった。 上の子は小学1年生の男の子、下の子は幼稚園に通い始めたばかりの女の子で、9時位には仏間の隣にある寝室で子供を寝かしつけながら、A子さんも夫が帰るまでウトウト
これは私が小学生のときに体験した怖いというかちょっと不思議な話。 私は当時、東北地方のとある田舎町に住んでいて、家では犬を飼っていた。 ブラウンの毛色のトイプードルで名前はヘイジ。 ある救助犬の映画を観て感動したので、その救助犬と同じ名前を付けだが、散歩中に通りすがりの人に名前を聞かれ答えると、決まってみんな「銭形平次の平次?かわいいわね〜」と言う。 みんながみんな同じことを言うので、毎回否定して、違うんですよ救助犬の映画があって…なんて説明するのも面倒くさいので、い
これは仕事の帰り道に体験した話。 私は当時スナックで働いていて、帰りはいつも夜中の2時を過ぎていた。 お店から家までは歩いて20分くらいの距離でスナックのホステスという職業柄、お酒を飲むので、帰りはいつも歩いて帰っていた。 お店の周辺は栄えていて街灯もたくさんあり明るかったが、ちょっと裏通りに行くと道も狭く街灯もぽつぽつとある程度。時間も時間なので周囲は静まり返り、いつも心細い気持ちで家へと向かっていた。 その日もいつものように仕事が終わり家まで歩いていたが、真夏の夜