見出し画像

週一日の珈琲マスター

僕は週に一日のコーヒーマスターである(笑)。8年ぐらい前に、お隣の奥さんから、今まで空家だった古民家をお茶でも飲みながら本が読める場所にしたいので、僕にコーヒーを淹れてくれないかと言われた。僕も、「お茶を飲みながら静かに本が読める場所もいいかも」と思ったので引き受けることにした。もう、それから8年、真冬と真夏を除いて毎週一日、土曜日だけオープンして、自分で焙煎した豆でコーヒーを淹れている。

茅葺屋根を銅板が覆っている

そのうち、いろいろな人が訪れるようになった。八郷にも個性ある人が多く住んでいるが、南の峠を越えればつくば学園都市である。ここにはアカデミア系の人が多い。北の峠を越えれば、陶芸の盛んな笠間・益子であるのでアート系の人が多い。それらの人が来ては、これまで自分がやって来たこと、現在やっている事を話す。その話は興味深いものばかりで、僕らだけが聞くのではもったいない。そこで協力を得て、月に1回だけ、多くの人に聞いてもらう機会を作った。それも、できるだけ参加者と話者が自由に話し合える機会をもうけた。分野も軟硬取り混ぜて、生活を豊かにしたり視野を広げるのに役立つことや、知的な刺激になるようなテーマを選んだ。おかげで、毎回盛況で3、40人の参加者がある。この会も5年続けている。これからも続く。

えんじゅの木

会場となる古民家の庭には、エンジュ(マメ科)の木の大木がある。カフェの名前もそれからとった。毎年、春になると新芽が芽吹いて、夏には緑の葉が日陰を落とす。エンジュ(槐)は、奈良時代に薬用として中国から渡来したものだが、元々、古代の中国では、高貴な木として朝廷の庭に植えられていた。最高位の官職(三公)を「槐位」と言うように出世を意味している。また「科挙」の試験に合格するようにと庭に植えたのである。

我々のカフェでは、このエンジュを品格の高い木というより、良い縁ができる木で「縁樹」、あるいは元気で長生きする意味で「延寿」と解釈している(笑)。

昔、この木の穴にはフクロウが住んでいた






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?