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秋晴れの一日、蕎麦と「うなぎ地蔵」
秋晴れの今日、昼食に蕎麦を食べてから、久しぶりに清音寺を訪れた。
町の外れにある蕎麦屋では、カエデの庭が色づき初めていた。それが秋の日射しに照らされて美しく輝いている。蕎麦は、丸抜き八割、玄挽き二割で打って、色、香り、食感を大切にしているという。「ざるそば」を食べたが、ほのかに甘みを感じる味と香りとで美味かった。「つゆ」も良かった。
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清音寺に向かう沢沿いの道脇で面白い石仏を見つけた。「うなぎ地蔵」と書いてあった。花崗岩で作られたスラリとした身体とノッペリした顔つきである。現代で言うなら美少年の姿である。そのはずである。
昔、これから行く清音寺に真面目でイケメンの小僧がいたそうだ。この小僧は、毎日どこからか赤飯を持ってきて本尊に供えた。ある日、水戸黄門が、清音寺を詣でた帰り、この沢の淵で鮎釣りをしたら大きな鰻が釣れた。その鰻の腹を裂いたら赤飯が出てきた。それ以来、清音寺の美男小僧の姿が消えて、本尊の前の赤飯も見られなくなった。あの小僧は鰻の化身だったのではないかと言われ、村人はその供養のために地蔵を建立したそうな。
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その後、イケメン小僧がいた清音寺に行った。お茶とお菓子をご馳走になりながら、和尚と臨済宗のことや禅修行のこと、庭の植物などの話を二時間近くも話した。
遠く道路から杉林で隔てられ、周りを切り立った山の崖で囲まれたこの寺に来ると浮世の憂さを忘れる。きっと黄門様もそうだったのだろう。
今日も秋らしい一日だった。
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