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こざき亜衣/あさひなぐ(11)
他人は自分が思うほど、
自分のことを気にしてはいない。
つい他人の目が気になるけれど、
それは自意識過剰に過ぎない。
でも自分のふとした言動が、
他人を変えることもある。
自分では何でもないと思ったことが、
他人の目をとらえることがある。
まっすぐな気持ち。
主人公の東島旭はチームのエースではないし、
最初は戦力として、
頭数にさえ入れられていなかった。
いくら負けても、どんなに虐げられても、
旭は頭をぐっと上げ努力を続ける。
この表紙を見よ。
どちらかというと文科系の面持ちながら、
見開いた大きな目、雄叫びを上げる口。
いいなあ。
負けないぞ、そんな気持ちに溢れる。
なかなか勝てない。
頂点からはるか遠い。
そんなことはどうだっていい。
ただひたすら目の前の道を行く。
神様はそれを見逃さない。
静かに見守り、時々その力を使う。
一人だけじゃない。
旭のほかにも、
まっすぐ薙刀に取り組む者がいる。
合同合宿はそんな仲間たちが集う場だ。
他者から刺激を受け、
そして知らずうち自分も他者に刺激を与える。
自分もこんな風に
何かにまっすぐ向かいたいと思う。
経験は時にネガティブ。
マイナスなことを考えれば、
出来ない理由を数えれば、幾つでもある。
それらを振り切って、まっすぐにね。