こざき亜衣／あさひなぐ（１８）

今ここにいる私を見て。

誰もが建前という皮をかぶっている。
心許さない人の前でも、
その皮はとんでもなく厚い。
チームメイトでさえ、心許さないと決めれば、
建前のフィルターの存在だ。
周囲から見て、そんなメンバーは煙たい。
芯からの仲間とは見てもらえない。
面倒くさい人、放っておいた方がいい、
遠巻きにして近づかず距離を保つ。

でも本当に苦しいのは、自身だ。
本当は皮を剝ぎ取りたい。
素直な自分、本音の自分を周りに見せたい。
本当の声を聞かせたい。
本当の笑顔で笑いたい。
本当の涙を流したい。
本当の心を感じたい、見せたい、
仲間たちと響き合わせたい。

剝いでしまえばいい。
すべてバッサリ脱ぎ捨てればいい。
その素顔はブサイクかもしれない。
醜いかもしれない。
せっかく一員でいられたのに、
拒絶されてしまうかもしれない。
嫌われ、疎まれ、遠ざけられるかもしれない。
それでも素顔でいられない仲間なんて、
本当の仲間じゃない。
本気でぶつかり合って初めて仲間になる。

チームは化学変化で出来上がる。
個性と個性がぶつかって、
思わぬものが飛び出て来る。
その時、初めて集団はチームとなる。
今、真のチームが生まれる。