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河合克敏/とめはねっ!鈴里高校書道部(11)

身近にオリンピック選手がいたら、どうだろう。
出場しても選ばれてもいないから、
まだオリンピック候補選手の状態だけど。
スポーツに特化した学校というわけでなく、
ごくごく普通の高校の教室、
その横に座っている同級生。
一緒に授業を聞いたり、お昼休みにお弁当食べたり、
移動教室でワイワイしたり、体育の授業だって受ける。

そんな同級生がメディアに取り上げられ、
全世界に放映される舞台に立つ。
嬉しく誇らしい一方、
遠くに行ってしまう寂しさがある。
別に何かが変わるわけではないのだけれど、
遠慮も出るし、変によそよそしくなってしまう。

そんな微妙な雰囲気の生徒たちの空気と裏腹に、
大人たちはザワザワしだす。
学校からオリンピック選手が出る、
学校にとっては名誉なことだしいい宣伝にもなる。
柔道部顧問にとっても、
オリンピック選手を育成となれば、
大きな勲章となる。
同時にプレッシャーも増す。

周囲の微妙な変化、狂騒をよそに、
本人はひょうひょうと自分の道を歩む。
そういう姿勢だからこそ、
オリンピックを狙うような選手になれるんだろうな。
書道やめてしまうのかな。

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