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松田奈緒子/重版出来!(12)

サラリーマンも悪くない、と思わせる巻。

サラリーマンには制限がある。
その仕事は自分の好きな仕事じゃないかもしれない。
自分がやりたいこと、目指すものとは、
遠く離れているかもしれない。
それでも与えられた仕事をやらねばならない。

上司を選ぶこともできない。
最近は360度評価なんてものもあるが、
大抵の場合は一方向に上から評価や指示を受ける。
その評価や指示はある意味正しいものの、
けっこうな場合において不条理だ。

そんな中を縫って自分のやりたいことを貫く。
上司と自分の間で何とか折り合いをつける。
さまざまな制限、理不尽でがんじがらめと思いきや、
それをフレームとして自由なフィールドを見つける。
それができるかどうかが、
サラリーマン人生を乗り切れるかどうかの
分かれ目かもしれない。

そうした仕組みが個人をタフにしたたかにし、
結果として組織としての力を高めていく。
じりじりと前に進めていく。
部下時代に見えなかったものが、
上司になって見えることもある。
必要悪な部分もなくはない。
もちろん部下にとって
良き上司になる方がいいのだけれど。
厳しい世間の環境は、
まず上司からという面もある。

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