福澤徹三/Iターン2
ピンチのあとにチャンスあり。
前作、左遷で地方支店に飛ばされた主人公は、
トラブルがトラブルを呼ぶ絶対絶命の窮地を
ギリギリくぐり抜け、見事本社に返り咲く。
ただチャンスのあとにはまたピンチありで、
再び窮地に陥る。
そういう運命にある男なのだ。
前作では取引業者からの
キャッシュバックが登場したけど、
本作では芸能界の裏が描かれる。
不倫スキャンダルで批判されるアイドルが
案外まっすぐ素朴な子で、
大人気を誇る爽やかな俳優が
実は芸能界を牛耳るドンだったりする。
そして相変わらず主人公の男は、
そんな役割ばかり引き当て、
トラブルの渦中に巻き込まれていく。
でもこの男が偉いのは、
そうしたトラブルを他人のせいにして
投げ出してしまわないこと。
家族に無視されようが、
上司に不条理な業務を課されようが、
何度も投げ出そうとするのだけれど、
寸前のところで何とか踏み止まる。
それがまた大逆転の道を開く。
自分を助けてくれる人も現れる。
報われなくても、誰かに評価されなくても、
どうしようもない駄目人間でも、
ちょっとした矜持を持って生きていく。