見出し画像

こざき亜衣/あさひなぐ(7)

負けに不思議な負けなし。
勝ちに不思議な勝ちあり。
ノムさんこと野村克也さんの言葉。
それ以前にオリジナルがあるかもしれないが。
団体戦の敗北は、
個人戦の敗北とは違う感情が湧き上がる。
特にある程度勝ち上がったのに、
勝つべきエースが負けてしまったり、
最後にあっけなく負けたりすると。
個人戦はすべての責任が自分にあるから、
複雑な気持ちも受け取りやすい。
団体戦は自分への思いと、
仲間への気持ちと、
その要因も複雑で複層となる。

スポーツの、
ひょっとしたら何事においても、
上達するということは一本道ではない。
山を登るのにまっすぐ頂きに向かうのでなく、
頂きに対して横向きになって、
折り返し折り返し少しずつ登っていくように。
回り道に感じられるような瞬間がある。
その時、心折られないこと。
登っている実感をどこかで得ることだ。

本巻で、ひとつの成長が起きる。
鳥肌が立った。
旭が躍進した瞬間、才能の片りんを見せた刹那。
皆の目が釘付けになって、
その技に体育館中がざわめく。
一方でチームは危機を迎える。
ひとつの敗北が、それ以上の意味を持って、
チームにのしかかる。

がんばれ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?