こざき亜衣／あさひなぐ（２）

スポーツ漫画の王道。
最初は弱かった主人公が、段々上手くなる。
屈辱の敗北から立ち上がり、
少しずつ勝利をつかめるようになる。
バリエーションに富んだ多様な仲間たち、
圧倒的な実力を誇る高い壁のライバル。
ダメな主人公がちょっとしたきっかけを契機に、
過去の自分を捨てて変わっていく。

多分、多くの漫画家か、
そうしたスポーツ漫画を描きたいと、
日々励んでいるのだと思う。
主人公の設定をどうしたらいいか。
その主人公とうまく化学変化を起こす
仲間はどういうメンバーがふさわしいか。
ライバル校はどの程度強くて、
どんな違いを持たせると、
より主人公たちを輝かせらられるか。
どんなドラマを用意するか。
どうやって上り坂を上らせるか。

王道なだけに難しさがあると思う。
ビジネスでいえば、レッドオーシャン。
あらゆるストーリーが試され、
あらゆる設定が既にある、そんな競争マーケット。
過去の名作を越えるのは、並大抵じゃない。
作者が抱える事情は、
そのまま読者にとっても当てはまる。
あらゆるパターンを読者は知っている。
もう、そんなに面白いスポーツ漫画は出てこない。
過去の名作で十分。

という気持ちがあったのに、もうすっかりハマる。
薙刀の青春物語、面白き。