こざき亜衣/あさひなぐ(31)
むしろ鶏口となるも牛後となるなかれ。
スポーツが面白いのは、
それぞれのチームにキャプテンがいて、
エースがいて、リーダーがいて、
縁の下の力持ちがいて、補欠がいて、
異端児や問題児がいること。
もし数少ない名門だけしかなかったとしたら、
画一的で面白味のないものになるだろう。
全国各地に無数あるチームのそれぞれに、
様々な役割をこなすメンバーがいるから、
チームが活性化し、
ひいてはそのスポーツ種目全体が輝く。
チーム内におけるそうした関係性・役割が、
チームが集まると
それぞれのチームに割り振られる。
王道を走るチームもあれば、
突拍子もない戦略をとるチームもある。
ただただ勝利を追い求めるチームもあれば、
美しさや正しさにこだわるチームもあるだろう。
そうしたチームがぶつかり合う。
それぞれの役割を担って大会を彩りながら、
ひとつひとつチームは去っていき、
やがてひとつだけになる。
頂きを極めたチームは、
ある種の孤独を胸に
遮るもののない美しい展望を臨む。
我らがチームはエースをかきながら、
その道を駆け上る。
その道は緩やかではないものの、
ひとつずつ確実に上っていく。
いいなあ。