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福澤徹三/Iターン

サラリーマン人生も20年以上が過ぎた。
この20年で学んだことは、
組織とは時にとんでもない決断をするということ。
本当に良いか悪いかとは関係なく、
組織は一旦大きな方向性が決まってしまうと、
もう個人ではどうしようもない大きな力が働く。
その時うまく立ち回って
おいしい想いをする者もあれば、
その流れに巻き込まれ
吹き飛ばされてしまう者もいる。

この物語の主人公はまさに後者。
何をしでかしたか地方支店に左遷となり、
さらに挽回しようと頑張ったがゆえ、
仕事でトラブルに巻き込まれる。
ひとつのトラブルが次のトラブルを呼び、
もう引くことも戻ることもできなくなる。
左遷がどうでもいいと思われるほど、
窮地に追い込まれれる。
個人の大借金、会社のお金の使い込み、
反社との付き合い、業者からのキャッシュバック、
あげくの果てに命を狙われることに。

でも男はそこで開き直る。
もうダメ、絶体絶命と思ったところで踏み止まる。
普段行ってきたことが、ささやかだけれど身を結ぶ。
人とのつながりが男を助け、
大逆転のかすかな道筋を示す。
やってみるもんだ。

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