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こざき亜衣/あさひなぐ(16)

強いチームは、みんな仲良し和気あいあい。
何の悩みも問題もなく、
一致団結して勝利にまっしぐら。

かと思えば、そうでないと思う。
そうしたチームは一見強そうに見えて、
一度崩れると脆いのかもしれない。
特に学生スポーツは一度敗れたらそこまでの、
トーナメントがほとんど。
劣勢やいつもの力が出ないとき、
相手が勢いに乗っている時であっても、
相手を何とかいなし、粘り強く勝利につなげる、
したたかさが必要となる。

チームのしたたかさは、
そのチームが乗り越えてきた
試練に比例するのではと思う。
チーム崩壊、手痛い敗退、離脱、不和・・・
ドン底から這いあがったチームは強い。
夏の最後、種目によっては冬の最後、
トーナメントの頂点に上り詰めるのは、
どこかでそうした辛酸を
舐めてきたチームではと思う。

チームというのは成長に伴って、
今まで作り上げたものを壊して、
変わっていくものなのだと思う。
作っては壊し、作ってはまた壊す。
せっかく作り上げたものを壊すのは、
恐怖を感じる。
守りに入りたくなる気持ちも湧いてくるだろう。

その恐怖に打ち勝ち、
リスクをとったチームにこそ、
勝利の女神は微笑む。
だからチームにとって問題児もまた必要なのだ。
このチームは変わろうとしている。
辛いが熱い、切ないが前を向く物語。

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