天衣無縫で楽しむために
あけましておめでとうございます。2020年が始まった今、皆さんはどうお過ごしでしょうか。
今年の目玉イベントといえばなんといってもオリンピック&パラリンピックでしょう。日本でオリンピックが開催されるのは、夏季では1964年以来。冬季を含めても1998年以来となります。1998年というと私が生まれた年で、さらに誕生日が6月なので、私にとって生まれて初めての自国開催オリンピックとなります。
2013年9月7日(現地時間)にアルゼンチンで行われた第125次IOC総会で、イスタンブールやマドリードを抑えて東京は選ばれました。当時のプレゼンテーションで滝川クリステルさんが発した「お・も・て・な・し」の言葉や、決定の瞬間にフェンシングの太田選手が感極まっているシーンは有名です。
あれから早7年。ついに開催を迎えます。日本が幾つのメダルを獲得することができるのか。日本という土地でどんな名勝負が生まれるのか。今からワクワクが止まりません。
プロ選手の試合を間近で見て、もしくはテレビ越しでも伝わる熱気を感じて、そのスポーツを始める方も多いと思います。あんな選手になりたい、あんなゴールを決めたい。その感情は自分を動かすきっかけになり得ます。
好きこそ物の上手なれという言葉があるように、プロになる選手など、その道で結果を残す人は本当にその競技が好きなのでしょう。好きでなかったら毎日のように練習し、その競技のために生活などできるわけがありません。
スポーツに限らず、『なにか』に対して持続的に取り組んだことがある人は、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。「ああ、私もあの人(自分より上手い人)みたいに出来たら楽しいんだろうな」と。どうですか。心当たりはありませんか。私はあります。
この考えに至るのはスランプの時期に多いです。なんで続けてるんだろう、何が楽しいんだろうというスパイラルに陥ると、つい出来る人と比べてしまうものです。
そんな時には、是非自分が『なにか』を始めたばかりの頃を思い出してほしいのです。
漫画『テニスの王子様』にこんな言葉があります。
テニスを始めた時 日が暮れるのも忘れ夢中でやったろ
どんなにやられても楽しくってしょうが無かった
あん時は誰しも天衣無縫なんだよ
出典:『テニスの王子様 42』|許斐 剛|集英社 ジャンプ・コミックス|2008年6月9日
作中最強の技「天衣無縫の極み」について、主人公越前リョーマの父、南次郎が解説するシーン。天衣無縫なんてものは、はじめは誰もが持っているもの。しかし成長すると試合に勝つためにミスを恐れるようになる。そうするといつしか始めた時の心を忘れてしまう。
たしかに、遊びでやっている時の方がミスも多いですが、無茶ができる分とんでもなくいいプレーが飛び出すこともあります。それが出た瞬間の喜びは、始めたての時に感じていた無邪気な喜びと同じなのです。
つい人と比べて卑屈になってしまった時、ミスを恐れず、初心に戻れるように取り組んでみてはいかがでしょうか。そうしたらきっと、天衣無縫の状態で楽しめるはずです。