「ありがとう」と「ごめんなさい」は難しい言葉
先月、夏の甲子園が終了しました。令和となって初めての大会ということもあり、普段は見ない方でも今回は注目していた方も多いのではないかと思います。例年にたがわず、いやそれ以上に熱い試合が多かった印象があります。4強の時点で全ての高校が優勝未経験、決勝では3回表に1点を追う履正社の4番井上くんから3ランホームランが飛び出し、一方の星稜も7回裏に追いつくなど最後まで胸を熱くさせられる大会でした。
そして甲子園が終わった後に毎回注目されるのは各校の有力選手の今後。どの球団が獲得へと動くのか、一旦は大学に進学しそこで経験を積んだ上でプロ入りを果たすのか。もちろん本気の野球はこれで終わりという人もいるはず。そんな高校球児たちがプロ野球でも活躍しているニュースは、甲子園しか見ない方でも気になるのではないでしょうか? そんな魅力が甲子園にはあります。
私は甲子園などのスポーツ観戦も好きですが、自分の体を動かすことも好きです。私は中学・高校と運動部に所属していたのでほぼ毎日、生活の中に運動が含まれていました。先輩や後輩、同期と切磋琢磨して練習し、大会では一丸となって戦うということは部活でしかなかなか味わうことのできない貴重な経験であると思います。そして中学や高校を卒業すると、あの頃自由に校庭や体育館やテニスコートなどを自由に使えていたという環境がいかに恵まれていたのかがわかるものではないでしょうか? 大人になると、何かの施設を使うにもお金がかかりますよね。
「失って初めて気がつく」という言葉は皆さんも聞いたことがあるのではないかと思います。自分の手の中から離れることで初めて、その存在がいる(ある)ことが「当たり前」であったと気づく。そんな場面は多くの人が人生の中で経験するはずです。そもそも「当たり前のこと」というのは、意識しないでも身近にいる(ある)ものであるということなので、その大切さに気づきにくいのだと思います。
「そのうち」なんてあてにならないな。いまがその時さ。 スナフキン
出典:『ムーミンシリーズ』|トーべ・ヤンソン
皆さんご存知、『ムーミンシリーズ』に出てくる言葉です。日本語のことわざにある、思い立ったが吉日と似ていますね。そのうち感謝しよう、そのうち自主練しようなどと思っていると後悔は突然訪れるものです。多くの先人たちがこう語っているように、私も「ありがとう」と「ごめんなさい」はすぐに言うように心がけています。この二つの言葉は言わなかった後悔が大きいにも関わらず、少し経つと言うことに気恥ずかしさを覚えてしまう難しい言葉です。
自由と孤独を愛するボヘミアニズムなスナフキンは、前述した言葉どおり今できる最善を尽くし丁寧に生きているからこそ、ムーミン谷の仲間たちや読者を魅了するのでしょう。明日死んでもいいようにというのは大げさですが、明日に後悔を持ち込まないように生きることが一番重要でいて一番難しいことなのかもしれません。