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UNRWA幹部の職権乱用疑惑【JOCV Day18】

今週頭、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の幹部らによる職権乱用を指摘する内部通達がなされた。中東の衛生テレビ局であるアルジャゼーラが7月29日に報道した。共同通信など、いくつかのニュースサイトでも取り上げられている。

"A confidential internal report from the UN's Palestinian refugee agency's ethics office has detailed alleged abuses of authority among the organisation's senior management team."AL JAZEERA NEWSより

UNRWAに関しては派遣前訓練38日目の書籍紹介で少しだけ取り上げたが、1949年に設立した国連組織である。現在はヨルダン川西岸地区、ガザ地区、ヨルダン、パレスチナ、レバノン、シリアに拠点を置き、約500万人のパレスチナ難民に教育や医療を提供している。また、約3万人におよぶパレスチナ難民を雇用している。

この巨大組織のトップマネジメントが、性的不品行や親族重用など、職権を乱用したと疑われている。

UNRWAは世界各国から資金援助を受けて運営しているが、今回の報告を受け、スイスとオランダが資金提供を中止すると発表した。数千万ドル規模の資金提供が行われなくなる。

2018年にアメリカが在イスラエル大使館をエルサレムに移転、その後UNRWAへの資金提供を打ち切ると発表した。アメリカはUNRWAへの最大の資金提供国であった。年間3億ドル以上の資金提供を行っていたが、2018年は6千万ドルに激減し、2019年はゼロになる見通しだ。

これを受けUAEが5千万ドルの資金提供を決めるなど、UNRWA存続に向け各援助国が協力する空気になっていた。そういった中での今回の内部通達はUNRWAにとって痛手となる。何より影響を受けるのは500万人のパレスチナ難民である。彼らは何一つ悪いことはしていない。職権乱用を疑われいる人の多くは外国人だ。UNRWAへの資金提供を中止しないよう求める意見も出ている。

The millions of Palestinian refugees and the Palestinian employees, many of whom are struggling to provide for their families, should not be collectively punished for the offences and selfishness of UNRWA's top management, many of whom are foreigners.AL JAZEERAより(著者個人の見解であり組織の意見では無い)


取り急ぎ、ここ一週間の動きを備忘録としてまとめた。


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