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今知っておきたい2つの有機化合物【JOCV Day290】
有機化学に詳しい人も、そうでない人も、理系だろうと文系だろうと、知っておきたい化合物がある。というより、既に多くの人が知っているはずだ。
まず右側の化合物が「ファビピラビル」。この商品名が「アビガン」である。
化学式で書くと C5H4FN3O2となる。補足しておくと、ファビピラビルは、
炭素原子 5個
水素原子 4個
フッ素原子 1個
窒素原子 3個
酸素原子 2個
でできている。中学理科ですべて学習する原子だろう。
もう一つが「レムデシビル」。
レムデシビルの方がファビピラビル(アビガン)より見た目複雑な構造をしている。化学式ではC27H35N6O8Pとなり、
炭素原子 27個
水素原子 35個
窒素原子 6個
酸素原子 8個
リン原子 1個
で成り立っている。こちらもおなじみのものばかりだ。
ファビピラビルもレムデシビルも、新型コロナウイルスの治療薬として期待されており、実際に投与した報告例も積みあがっている。
治療薬として研究が進められている候補物質はこの2つの他にもいくつかあるが、ここ数日ファビピラビルとレムデシビルがメディアで多く取り上げられている印象を受けた。
今後もこれらの名前を耳にすることは多くなるだろうが、実際にどういうものなのかイメージとして持っておいて損にはならないだろう。
実際これらの物質が体内でどのように効力を発揮するのかはまたどこかで。