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イスラエルの新政権が発足したが、「世紀のディール」はどこへ行った
イスラエルの政権争いがようやく着地した。新型コロナウイルスの影響を受けての緊急着陸のようにも思えるが、結論としては与野党連立政権という形を取ることになった。
期間は3年間で、前半は与党のネタニヤフ氏、後半は野党のガンツ氏が、それぞれ首相を務めることになる。よって現時点での首相はネタニヤフ氏ということになるが、ネタニヤフ氏には収賄など汚職事件の疑いがあり、来週に初公判が行われる。
今年の1月28日、私はイスラエルの隣国であるヨルダンで青年海外協力隊として活動していたが、ちょうどこの時ヨルダン国内のTwitterでトレンド入りをしていたワードは「コロナウイルス」と「世紀のディール」である。
「世紀のディール」とは今年1月29日にアメリカが発表した中東和平案すなわちイスラエルとパレスチナの和平案のことである。
詳細はホワイトハウスのホームページからダウンロードできる。「和平案」と言いつつも、極めてイスラエルの主張寄りの計画になっており、パレスチナ側の主張は殆ど繁栄されていない。和平案の発表会見にイスラエルのネタニヤフ氏は同席しているが、パレスチナ自治政府のアッバース大統領は招待すらされていない(Newsweek日本版より)。ヨルダンで難民支援をしている知り合いは「世紀でも和平でも何でもない」と言っていた。
今回イスラエルの首相を続投することになったネタニヤフ氏は、パレスチナ自治区であるヨルダン川西岸地区の併合について意欲を示している。新型コロナウイルスの世界的拡大を受け、2月に入ってからは「世紀のディール」についてテレビや新聞で見かけることは少なくなったが、パレスチナとイスラエルおよび世界各国の対応は引き続き追っていきたい。
※タイトルの写真は死海(ヨルダン側)の夕暮れ。手前がヨルダンで、奥に見えるのがヨルダン川西岸地区。