デンマーク留学、フォルケホイスコーレを調べたら行きたくなった。
アジアで英語に困ることはほとんどない。だけど、英語力があるわけではないから、英語で何か勉強するのがいいと思った。デンマークでグラフィックデザインが学べると聞いたことがあったので調べていたら、ホイスコーレ(Folkehøjskole)にたどり着いた。
僕は新しいことを調べる時は、まず本を読む。そして、人に会う。その後にネットで情報収集するんです。今回もその流れでした。読んだ本は「フォルケホイスコーレのすすめ」。
興味深かった。著者が多数で、寄せ集め感があったけど、サクッとよめて概要が掴めた。いい本だと思う。ホイスコーレは専門学校ではなく、民主主義を育てるスクールのようだ。
ヒューマンライブラリー
デンマークはだいぶん前から多様性を大切にしていた。2000年にヒューマンライブラリっていうのを設立しているんです。これは、社会的マイノリティの人を「本」として貸し出す図書館。参加者は短時間の対話を通じて、偏見やステレオタイプに対する理解を深める。目的は、異なる背景や経験を持つ人々との交流を通じて多様性と共感を促進すること。トランスジェンダー、難民、ホームレス、障害者と会話できる。デンマークのテーマは対話なんです。
ちなみに、デンマークがポルノを合法化したのは1969年7月1日。デンマークが世界初。早い。
デンマークではじまったヒューマンライブラリーは広がって、2018年の時点で世界90か国以上でヒューマンライブラリーのイベントが開催されている。で、日本にもあるんです。駒澤大学、獨協大学、明治大学、長崎外国語大学にあるんです。全然知らなかった。
ホイスコーレを経験した人は魅了されるようです。日本各地でホイスコーレを普及させようと頑張っている団体があって、本の中でも紹介されています。一般社団法人IFASというのもあるけど、ウェブサイトの更新は止まっていた。組織は作るより継続するのが大変なんですよね。ウェブサイトも同様。情報サイトは運用を継続する仕組み作りが大変。
教育は国や自治体で取り組むことなので民間レベルでホイスコーレを成立させるのは難しい。そう思っていたら、シブヤ大学やSHIMOKITA COLLEGEも本に出てきた。
学びという意味では繋がっているんですね。昔に、「つなぐ人フォーラム」というイベントに参加したんですが、そのイベントにも共通点を感じました。同じ空間にいろんな人間を集めると何かが生まれる。
このホイスコーレの本はしばらくしたらまた読み返したい。
ビネバル出版/北欧留学情報センター
本を読んだ後は、ホイスコーレのFacebookグループ(フォルケホイスコーレコミュニティ)に参加して流れゆく情報を見ていたが、詳しい人に聞いたほうが早いと思って、(有)ビネバル出版/北欧留学情報センターに行った。事前予約して留学相談です。7700円です(税込)。
僕はずっとメディアを運用しているので無料で得られる情報には偏りがあるし、広告が多いと思っています。テクニックだけで上位表示されている薄い情報はノイズと思っているので、最初にお金を払って情報収集します。
自分が留学エージェントをやっているから、無料相談より有料相談のほうが信用できると思っているところもあると思う。北欧留学情報センターでは、ホイスコーレを3回経験した山中さんにいろいろ聞きました。リアルな話をたくさん聞けた。理解が深まった。
新横浜近郊でミニフォルケイベント
若い人の話も聞きたいと思っていたときにFacebookグループにイベント情報が流れてきたので参加した。宮内 航くん主催のワークショップ。5年ぐらいデンマークに関わっていて、これからまたホイスコーレに行くらしい。その資金はクラファン。
イベントには20人ぐらい若者が集まっていた。デンマーク経験者もいれば、これから行きたい人もいる。集まっている人たちの会話の中で、ホイスコーレについてさらに理解が深まった。行ってないけど、人に語れるぐらいにはなった。「専門を英語で学ぶ」という当初の目的にはちょっと違う気がする。だけど、若い人にとっては、フィリピン留学のあとにホイスコーレはいいと思う。そんなわけで現時点での解釈をまとめることにしました。
ホイスコーレとは?
そもそもホイスコーレ(Højskole)って知ってます?僕は全然知らなかった。ホイスコーレは、デンマークで発展した独自の教育機関。簡単に言えば、共同生活を通じて自由に学べる学校。先生と生徒が一緒に生活して、ともに学ぶんです。教育スタンスとしては、正解を作らない。多様性を学ぶ。自分の考えを育む。対話を重視する。主体性を持つ。そして、民主主義に参画する。と解釈した。
年齢制限なし
全寮制(先生も一緒に暮らす)
試験がない
対話重視(ディベートではない)
デンマーク人向け
民主主義の参画を目的
歴史が面白かった。ホイスコーレの生みの親は、デンマークの思想家で教育者のニコライ・フレデリク・セヴェリン・グルントヴィ(Nikolai Frederik Severin Grundtvig)。最初のホイスコーレは1844年、デンマークの小さな村にできました。この学校は、農民が知識を深め、社会に積極的に参加することを目指した。
当時日本は徳川幕府。第12代将軍徳川家慶の時代。中央集権の終盤です。日本はトップダウンでやっていたときに、デンマークでは民主主義がはじまりだしていたんですね。だから、ホイスコーレは180年の歴史がある。誰でも参加できて、市民教育を目的にはじまったわけです。
福祉国家のデンマークは税金が高いが教育は無料
人口590万人のデンマークは福祉国家です。教育無料、医療無料、手厚い社会保障があります。その代わり税金は高い。消費税は25%、所得税は累進課税で最高50%。大人は働いて納税して一人前。いい年して働いてないと白い目で見られるそうです。専業主婦という概念もない。納税する意識が高いそうです。
聞いた驚いたのが、デンマークってちゃんと就職するのが30歳ぐらいかららしいです。20代は自分探し、モラトリアム期間。バイトするもよし。ワーホリに行くもよし。ホイスコーレに行くのもよし。教育は無料だからいろいろ学べる。20代はいろんな経験をすることを大切にしている。モラトリアム前提っていい気がする。
ホイスコーレはデンマーク人のために作られているけど、デンマーク人が多様性を学ぶために外国人を一定数受け入れているんです。だから、英語ができたらホイスコーレに飛び込めるというわけです。ただ、外国人枠は限られていて、国が補助しているのは3ヶ月以上のコースになるから、短期コースは安くないのです。デンマーク語が前提の学校も多い。
ホイスコーレは急に行けない
ホイスコーレは歴史があり、法律も整備されている。認定されている学校は現在約70校。ただ、国の予算は縮小傾向で学校は減っているようです。
学校数が減っているということは、ホイスコーレに行くデンマーク人は減っている。だから、学校は運営していくために、短期コースも作る。最初は短期コースに行こうかと思ったけど、そういう現状を知ってくると、3ヶ月以上のコースのほうがいい気がしてくる。
そんなデンマークは幸福度が高くて、投票率が80%を切らない。政治の参加意識が低くて、幸福度が低い日本人は学ぶものが多そう。
日本は無難なテンプレートを探して、それにしたがって生きるのが安全と考える人が多い。だからみんな答えを探す。でも、人は違う前提で普段から対話できていたほうがいいと僕は思っている。それに英語を覚えても自分の意見がないと何も話せない。
ということで、デンマークに行きたい。ホイスコーレを見てみたい。なにを勉強しようか。グラフィックデザイン?神話?ホイスコーレ?デンマークの歴史かな。でも、座学は自分で勉強すればいいから、アート系のほうがいいかな。
で、ホイスコーレに申し込もうと思っていたら、学校が限られていて定員も限られているのですぐに行けるものではないことがわかった。だから、とりあえずデンマークに行こうと思います。行ったらまた報告します。よかったら、フィリピン留学のあとの挑戦として若者にオススメできるものなのか知りたい。
IPC(International People’s College)
気になるのは無難なIPC。唯一外国人生徒が多い例外の学校。首都コペンハーゲンから電車で約1時間。日常生活も授業もすべて英語。2、3週間の短期コースがあり、様々に国から生徒が集まる。20代前半の若者が多いらしい。
気になるメモ
Brandbjerg Højskole (ブランビア ホイスコーレ)
Højskolen Mors 2020年にできた。芸術 映像系
シニア向けのホルケ 3校ぐらいある。
ホイスコーレは17.5歳以上が前提だが、それより若い人向けの通年のエスタハイスクールというのが1、2校ある。韓国はエスタハイスクールの見学が多い。ホイスコーレユースというのもある。
日本人が作ったホイスコーレがある
フリースクール DSL
ホイスコーレ協会
ホイスコーレは生徒を集めるのを苦労している。でも、日本人生徒は多い。どこにでもいる。