独裁スイッチ『~いやな奴はこの世から消してしまえばいいんだよ』
昔ドラえもんの漫画であったそのタイトルとセリフを思い出した。
そのスイッチを嫌いだと思った人の前で押すとその人がフッと消えてしまう。
もちろん作者は世界中の有名な独裁者たちにアイディアをめぐらせたのだろう。
いったんそれに味を占めたのび太が、次々と友人を消していってしまうのだったが興味深かったのは、ジャイアンを消すと誰かがジャイアンのキャラクターになっている(引き受けてる)ということだった。
インターネットだと機能的に疑似的にはそれをすることができるのだけど、おそらく目的を伴ったプロジェクト的で非永続的な場合ほど有効なのではないかと思い浮かんだ。
ドラえもんの世界では対キャラクターとしてそれを使っている。
キャラクター=(?)生身の人間へ帰属する個人の性質
のび太はたしか街の全部の人間を消してしまって、想像しなかった孤独を味わなくてはならなくなってしまう。
一応ドラえもんの漫画だからこの後、解決方向に向かうのだけど、この道具が、独裁者を苦しめるための道具だったという設定も面白い。
快楽と孤独はセットなのかとここで考えてしまうのだけど、なにかおそらく違うんだよなあ。
おそらくそこには私(たち)が抱えている運命的な脆弱性があるのだろうと考えてしまう。
いいかえると、いや言い換える意味はないんだけど、感動は快楽を含んでいるけど快楽は感動を含んでいないのではないだろうか。
うむ…なんかそこにキイがある気がする。
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