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小さな離れーA Little Hut I Built

「震災の後の記録」VII

次男が生まれる頃に、自分も何か形のあるものを生み出したい、と思っていたのかどうかは忘れましたが、何かに憑かれたかのようになって、刃物を研いで木を刻んで作ったのがこの小屋です。小さい子どもたちに「勉強するから静かにしてね」と始終言うのも何だか楽しくないので、庭の片隅に8畳ばかりの方丈を建ててみたのです。梁までは釘を使わず、ほぞを切って込み栓で留めてあります。壁は竹小舞を編んで泥壁に珪藻土を塗りました。地震で丘が動いたために少しばかり傾きましたが、小屋自体はほぼ無傷で、今は仮住まいには収めきらないしかし捨てるには惜しい荷物や新しい住まいに再利用するための材を保存するのに活躍してくれています。周りの木も丈が伸びて、ほどよく小屋を覆い始め、地面から生えた薄茶色の茸のような佇まいになってきました。

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