食道がん日記#25 内視鏡手術(ESD)頸部食道
食道の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を受けた。思いのほか苦しいことがあったけど、術後の経過は順調でもうすぐ退院だ。
◆原発巣:胸部食道ステージⅣ
◆重複がん:下咽頭、頸部食道ステージⅠ
・抗がん剤1クール目【完】
・抗がん剤2クール目+放射線治療【完】
・抗がん剤3クール目+放射線治療【完】
・抗がん剤4クール目【完】
・内視鏡手術 咽頭【完】
・内視鏡手術 食道 ←今ここ
食道ESDの手術は手術室ではなく、内視鏡検査室で実施された。全身麻酔ではない。鎮静剤を強めに使用するみたいな感じ。基本的には眠った状態だけど、途中で目覚めてしまう場合があるのでその際は手で合図してください、と言われた。
で、術中に目覚めてしまったのだな。
痛くはないけど苦しい。鎮静剤なしで内視鏡やっているみたいな苦しさ。手をパタパタ動かして「起きちゃったよー」と何度も知らせたのだけど、いっこうに鎮静剤を追加する気配なく手術は続行されていった。医師・看護師さんとも気づいていたけど、「がんばって!」みたいなことを言われた。え?どゆこと?と思いながら何度かえずいた。
そのうちまた意識を失って気づいた時には手術が終わっていた。除去した粘膜層を見せてくれたけど、何か判断できるわけでもないので見なくてよかった気がする。そんなことよりも眠らせてくれなかった恨みがつのっていた。医師が回診に来たときにクレーム言おうとまで思っていた。(言わなかった。)
手術翌日から水・お茶の飲水は可、食事は翌々日からの開始だった。食事がないと一日が本当に長く感じられる。メリハリがないというか、区切りのないだらだらと間延びした時間が続く感じだ。読書するにもネトフリ観るにも何となく集中できない。
術後の経過は順調だったようで、痛みはたまに感じる程度だった。唾を飲み込んだ時などにズキンと痛む。5分粥からスタートした食事も問題なし。今までの入院で一番元気な状態ではないだろうか。うれしいことなのだけど、元気がゆえに暇な時間が苦痛だ。
手術が(たぶん)成功し、経過も順調なのに文句ばっかりになってしまった。内視鏡科の医師にはもちろん感謝している。でも今回の苦しさは忘れられない。といいつつ忘れるんだろうな。人間は忘れていくから辛いことがあってもまたトライできるのだと思う。